20代女子こそ! | フーテンひぐらし

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永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。



本当についさっき本屋さんで。



いかにもギャル本な派手な表紙をスルーしようとした時、
そこに似つかわしくない「子宮頸がん」の文字に足が止まった。


携帯用ブログで書かれたものらしく、
ギャル独特の言い回しも手伝って読みづらいことこの上なしだったけど
必死で立ち読みしてしまった。
で、買っちまった。



広野ゆうなのフーテンひぐらし-HPV


「HPV 24歳、子宮頸がん患者デビュー」723



まだ若い彼女は恋して遊んでガンガン明るく楽しく生きていた。
セックスの時の不正出血があまりに続くので病院に行き、
子宮頸がんにかかっていることが分かり、すぐ手術。
広汎子宮全摘手術のあと、リンパ節も取るに至る。

その記録ブログを本にしたものだ。


まだすべてを読んでいないから分からないけど、
その後、恋人と入籍し、元気に新しい人生を生きている彼女は言う。


「あの時点で病院に検査に行っていたら…」



「余命一ヶ月の花嫁」の長島千恵さんの場合もそうだったけど、
若いとそれだけ進行も早いという。
この本の彼女の場合、「通常の3倍の速度で進行している」
とお医者さんに言われたそうだ。


「これを読んで、ひとりでも多くの女性ががん検診に行ってくれたら」


そういう思いで本にしたのだろう。
ほんとうに、若くて元気なギャルたちがこれをたくさん
読んでくれて検診に行ってくれたらいいなと私も思うよ。


私自身も、手術してワクチン打っていま異常なくても、別に二度とかからない訳じゃない。
彼女のこの本を手元に置いて、定期健診の大事さを忘れないようにしたいなと思う。




会社員として働いていれば年に一度の健康診断がある。
しかし、30代突入から男女共に一気に検査項目が増えるのに対し、
20代はほとんど学生時代の健康診断並みの簡単さ。
特に20代女性は「婦人科検診」は自ら希望しない限り、ない。


この形、もうまるきり時代遅れだと思う。


ほとんどの20代女子がバージンではないのだし
むしろ一番セックスに対してオープンな時期だ。
健康な状態ならもちろん子宮は若くみずみずしい時期だけども、
人によってはいろんな生活習慣の悪化だって抱えている。
むしろ若い分、悩んだり泣いたり怒ったりでストレスだって多いと思う。
それなのに婦人科検診がないのはおかしいよね。



さまざまな不調が表面化する30代女子からは
さすがに自主的に婦人科に向かう人も増えてくるが、
20代は「検診に行きなさい」と言ったって
まだまだ他人事だと思うだろう。
だからこそ、せめて所属組織があるのならば
デフォルトで受けさせるべきだよなー。



20代女子はかならず子宮の内診をしてもらって、
性感染症、がん検診、そして乳がん検診もすること。
所属組織での定期健診でその項目がないのなら自主的に希望すること。
所属組織がないのなら、通いやすい婦人科を見つけて
そこをかかりつけにして定期的に検診すること。
(30代以上は言わずもがなね!)


これを、若い子ちゃんたちには
ぜひにぜひにお願いしたい。


特に子宮頸部においては、定期健診さえしていれば
いきなり「がんです」なんてふうにはならないはずなので。


(私のように異形成の時点で発見できて、しかもそれならほとんどの
人が私のように手術する必要もなく、ただの経過観察で済むから)



私が異形成→円錐切除の話をブログに書いたら
驚くほどたくさんの女性たちから異形成についての相談や報告のメールがきた。
そして、私の周囲では働く30代女子たちが続々と
婦人科系の不調を抱えて職を辞したり、休暇を取ったりしている。


ほんっっっとうに、多いのだ。



私が、そして彼女たちが、ひしひしと感じたことは


「子宮ほど、気持ち(ストレス)の影響を受ける器官はない」ということ。


それは、私のように
「ストレスなんてあると思ったことがない」
「悩みで胃が痛いという経験をほぼしたことがない」
という阿呆でも、知らない間にそうなるということなのだ。


私の場合、ほんの数ヶ月、
精神的に「こりゃつらいなー」という時期ののち、
総仕上げのごとく異形成が見つかった。


もちろん異常の芽はそれよりずっと前にあったのだろうけど、
その短期間のストレスによる急激な免疫力低下が
最後の引き金だったろうなと今では思う。



生活が清く正しくても食生活や健康に気をつかっていても、
自分が気持ちの上で「無理をしているな」「つらいけど我慢だな」
なんてことが最近多いならば、若くてもぜひ検診に行ってほしい。



きもちで無理ができても、
からだはそれをまともに食らってることが多いから。


これは精神的に弱いとか強いとかそんな問題じゃなく、
みんなの身体は意外に等しくデリケートだからさ。


ババくさい言い方だけど、
年齢を経たあとに「うあー、もっと身体のこと真剣に考えて
おけばよかった…」とわりとしみじみ思うから。特に女性はね。
(今でも、親の世代から「もっと考えなさい」と言われてるけど)



女子会が世に定着したのならば、
いっそ「婦人科へ検診に行った後に美味しいごはん食べよう会ワイン
とかやってもいいんじゃないかな。どうでしょ。




追伸…HPVのワクチン。
ワクチンについては、反対派賛成派が色々なので
もろ手あげて皆にオススメ!とは言えなくなってきたけど、
私は「ワクチン有効とされる危険な16型18型は日本人には稀だから不要では?」と
いわれてる16型だったわけだし、反対意見に関しては、実際に罹患していない人々

だから言ってられる杞憂だよな、とも思ったりする。かといってワクチンが救世主で

ぜったいに問題ないのだ、とも思わない。何だってリスクはある。新しければなおさら。

何を大事ととるかは人それぞれなので、自分でちゃんと調べて、納得したらば打てばいいと思う。




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