血は母より、骨は父より。 | フーテンひぐらし

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永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。



初読のときはあまりの不快感に
うへー二度と読むかい!と思ったんだけど。



二度目だからか、
いやーすげえなと面白く読めた。




血と骨


「血と骨」 梁 石日  幻冬舎文庫



大人の男として。
夫として。父として。
働く者として。


ていうかそれ以前に人間として。



そういうものを丸ごとなぎ倒して
唾棄したかのよな主人公・金俊平が圧倒的。



人間じゃねーもん!
バケモノだもん!


女子供の人権、ドブの中!!


それでも周囲の人が結局
その目の届くところから離れない不思議。



宮本輝の「流転の海」シリーズが大好きな私ですが、
あの父と子の姿とは何とかけ離れてることか。
なのにどっかかぶるのはなぜか。



史上最強の絶対悪じゃないですかね、金俊平。
そのゆるぎない姿勢に、人が引きずられるのかね。



ついでにビートたけし主演の映画
DVDで観てみましたよ。



小説のイメージに遠く及ばないけど、
たけしはやっぱり、血も涙もなくて
何を考えているか分からない怖ろしい男が似合うなあ。
まさか「ウジわく豚の腐肉」を実際に登場させるとは恐れ入りました。


ついでに北村一輝さまはやっぱりどチンピラが似合うわ♪





ずしりとお腹にもたれてしまうよな
骨太のおはなしを読みたい方には、おすすめです。