作業完了、本屋日記、WOWOW【日記】 | フーテンひぐらし

フーテンひぐらし

永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。

昨日(土曜日)にやっとこさすべての書類を清書して、ぶじ確定申告作業が終わったのです、ばんざい!明日税務署まで出しにゆくぞ。そして今年こそは経費精算を毎月するぞ…(毎年言っています)

始まる予定だった仕事がいくつか保留中なため、この1ヶ月くらいは確定申告の地味な事務作業だけをひたすらコツコツやって息抜きはビーモンと夜のTVくらいだったので何というか能動的な語彙力が死んでいる。運動楽しかったーとか、これ観て面白かったーとか、そういう言葉しか思い浮かばない脳みそに成り下がっている。

ずっとお風呂でちびちびと読んでいた蟹ブックス・花田菜々子さんの「本屋閉店開店日記」を読み終わってしまった。もっとずっと読んでいたかったな。
これは高円寺の蟹ブックス開店におけるクラウドファンディングのリターン品。一緒に送られてきた「蟹ブックスができるまで」と併せて、ひとつの本屋(日比谷コテージ)の閉店と、自分たちでやる本屋の開店までのドキュメンタリーを丁寧に見させてもらった感じ。「蟹ブックスができるまで」だけ先に読んだ印象は「とにかく楽しそうでうらやましいな」だったけど、日記の方も読み終えると「いやあ…ひとつのお店を立ち上げるってものすご〜く大変なんですね…」という気持ちになった。
一緒にお店をやる二人に対して花田さんがしばしば「遠慮せずに思っていることや意見をはっきり言ってほしい。違っていたら違うと言うから」と繰り返しているところにめちゃめちゃ共感した。私もそういうふうに言うタイプなので。でも相手はただ遠慮しているだけでなく、それぞれの考えやスタンスがあるんですよね…。そのあたりはやっぱり「お互い腹割って言葉にしないと何も伝わらないじゃん!」と思ってしまうのだけど、言わない人には言わない理由もまたある、ということだろう。そして自分は何もかもさらけ出していると思っているけど、相手にとってはそうではない、という部分もあるのだ。

実はまだ蟹ブックスには行ったことがないので早く行きたい。物件も壁も棚も内装も並んでいる本も、そしてカウンターに座るみなさんも、どう苦労してそこに存在しているのかを知ってしまったので、好きになる予感しかない。

以下は最近WOWOWで観た映画のかんたんな感想。

「燃えよ剣」
鬼平も忠臣蔵も大奥も幕末も坂本龍馬も白虎隊も好きだけど、なぜかぜんぜん通ってこなかった新撰組。なのでイチから知るつもりで観た。とても面白かった。まず画面がキラキラ明るくなくて、暗い色調の泥くさい感じなのがよかった。新撰組といえば、のあの水色×白の衣装じゃないのもまた良し。役者陣もみんな良かったな。病弱なだけでなく素直でほがらかな沖田総司を山田涼介が演っていてとてもハマッていた。それにしたって岡田准一は体幹とキレが凄すぎるので殺陣がもう別格というか、格闘技というかアクションであった。


「ザ・ロストシティ」
前半笑いっぱなしだった。そしてブラット・ピットの使い方にしばし呆然としたのちすげえな…と思った。チャニング・テイタム好きとしてはこの映画のチャニングは最高でしかない。登場シーンで「ダサくて笑える」というていで踊るけどそれすら美しい動きになってしまってボケきれてないのがさすがだ。でも「ちょっとバカでポンコツだけど最高のセクシーボディと忠犬のような誠実さを持っている」って役をイージーに「最高!」っつって拍手してしまっていいのか何度も迷う。男女逆だったらまあまあ失礼な消費ではないのか…?など考えた。考えつつもチャニング・チャームにやられっぱなしだった。彼は女性を癒す役が本当に似合ってしまうな…。


「エルヴィス」
さすがに全く世代ではない。プレスリーはもう完全に伝記上の人物レベル。愛するマイケル・ジャクソンがリスペクトしていたよなーという程度の知識で観た。
冒頭のWBとエンドロールのまわりの装飾のギラギラがまず最高。そして何なんすかオースティン・バトラーの憑依っぷりは…!「ボラプ」におけるラミ・マレック同様、最初は「ぜんぜん似てないな」と思うのだけど途中からもうそんなことどうでもよくなって、オースティン・バトラー自体の魅力にノックアウトされてた。唯一無二の動きや歌い方がすごい。キングオブロックである納得性がすごい。そしてまさかほとんど彼自身の歌唱だとは!言い方が下品ですけどもうめっっっちゃエロいのですよオースティン・バトラーが。だからこそ女子がみんなキャアアーーと熱狂し、「腰の動きが卑猥すぎる」という理由で規制されまくったところに説得力がある。
そして黒人音楽を取り入れ、黒人ぽい動きをしているということがこんなに堂々と「悪!!」とされていた時代について「ハァ???」って驚愕するし、プレスリーのどこが革新的ですごかったのかもとても分かりやすかった。
そしてスターであるがゆえ、人々のデカすぎるLOVEと引き換えに心身ともに「フツーの幸せ」からガンガン遠ざかっていくさまがあまりにしんどすぎた。パーカー大佐憎し。スターであればあるほどきちんとしたブレーンを持つことが大事なんだな。ほんともっとどうにかしてあげられなかったんだろうか、晩年のプレスリー。

 

 

蟹ブックスからのリターン品。「蟹ブックスができるまで」「本屋閉店開店日記」。香山哲さんの絵もすごくいい