「若いコには教えたくな」くない。 | フーテンひぐらし

フーテンひぐらし

永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。

TwitterのTLによく登場する美容液の広告コピーに、こういうのがあって、見るたびに一瞬引っかかるというかモヤッとするんです。まるで喉にほそーい小骨が刺さるかのようなちいさな違和感。

 

 

(会社と商品に罪はないのでボカしたけど商品名出てるな、まあいいか)


若い子には教えたくない オトナのシミ対策。
 

「(飲食店なら)混んで入れなくなる」「(商品なら)皆が買って在庫がなくなる」という不安からくる「人に教えたくない」という思いは確かに存在するでしょう。自分ひとりでこの素晴らしさを甘受したい!ってやつ。
でも「若いコには」って一体どの種の感情…?
「(同世代または自分がライバル視する)あのコには教えたくない」とかならまだ分かるのです。似た人間の中から自分だけ頭ひとつ抜けたい!という気持ち。
または「若いコにはもったいない」とかもまだ分かるかなあ(コピーとしてのよしあしは完全に置いといて)。成分が贅沢すぎるから、年を経た私たちのお肌にちょうどいいの!アンタたちも大人になったら使いなさいね、って気持ち。

でも「大人の」と銘打ってることと「若いコには教えたくない」ことはイコールとしてぜんぜん結びつかない。少なくとも私は。
だって既に同等じゃないじゃないですか。つるぴか肌の若いコが同じ商品を使ったってこちらに何の不利益も生じない。もし同じ商品を使って若いコがより一層つるぴか肌になってモテモテになったとしても、「大人のワタシ」とは競う土俵にないじゃないですか。(もちろんどちらが上とか下とかではなく)

どうでもいい?そう、まあどうでもいいんですよ。目くじら立ててるわけでもないし。広告自体が問題だというレベルでもない。

単に私が「若いコを変にライバル視したり敵対視したりするような物言い」に飽き飽きしてるだけかもしれません。いやそれですわ。飽き飽きっていうか、うんざりしています。
以前「女子のばんそうこう」にも書いたけど、年増の私たちは若い女に嫉妬したりしない。年をとればとるほど、そんな感情は存在しない。

なのにちまたでは何かとその分断と対立を煽りたがる。「BBA嫉妬乙」と言いたがる。いや、ねえし!!
そのひとつひとつは大したことじゃなくても、ミルフィーユのように重なり積もって、勝手に「そういうものなのだ(定説完成)」ってなってる現状がいやなのです。

(あ、もし「私は若いコがむかつくけど?」という人がいたらごめん。それも別に否定はしないよ。あと「職場のお局は若いコをいじめてるけど?」という人もいるかもしれない。でもそれは嫉妬というより単にいばりんぼか権威主義か意地悪なんだと思う。立場が下の者には言いやすいからガンガン言う人。)


若いコは年増の敵などではない。かつての私たちであり、可愛く美しくつたなく悩み多く、かつ生命力にあふれている生き物です。できれば少しでも余計な傷を増やさずに、幸せに生きて欲しい。我々年増が彼女らを護れるものなら護りたいし、特に必要とされないなら温かく見守りたい。それだけです。