No Laugh, No Life | フーテンひぐらし

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永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。

 


最後に落語会行ったのいつだろう…明らかにコロナ禍前だ。
というわけですごくすごく久しぶりに、生で落語を聴きに行きました。

この大手町三井ホール、すごい。(ホールとしては今回が初の落語公演だったようです)
ビル(Otemachi One)全体にゆとりがありすぎて謎の広々お洒落空間がそこかしこにある。隅っこに住まわせて欲しいくらい。
会場入る直前のトイレ、男子は廊下からすぐ左折して入れるのに、女子は左折してからながーーーーい廊下を3分くらい歩かされたので「差別…」って思いました。どうでもいいっすね。でもこういうの地味に響くんだよビルの好感度に(ビルの好感度?)。

 



会場ロビーもこの広さ。このロビーで落語会ができます。窓の外はお堀と皇居です。

 

 



私が行った「落語ドマーニ」ひるの会は三遊亭兼好・桂雀々・柳家喬太郎のお三方。鉄壁のラインナップ。

前座さん(三遊亭天どん師匠のお弟子さんで三遊亭ごはんつぶ。マジだよこの名前)の危なげない「つる」の後は、私の推しである兼好さん。高座に上がってきた途端、「うぉあーーーーーー久しぶりだ嬉しいーーー」という気持ちがむくむくわいてきました。

「皆さん忘れてると思いますが緊急事態宣言中です」「命がけだということがよく分かりました」「(会場の周りの飲食店に皆さんが)入れる値段のところがない」「会場豪華だけどあんがい椅子がしょぼい」とか笑顔で言いたい放題の怒涛のまくらが本当に面白かった。あと大坂なおみさんの会見拒否についての兼好師匠の見解にわたしも全面的に賛成です。
からの「厩火事」。「タイガー&ドラゴン」でもおなじみの「唐土の子牛か麹町の猿か」の話。時節柄、笑うのを我慢しようと思っても正直無理でしたね。みんなも耐えつつよう笑ってました。カラッカラの砂地に水がしみわたってゆくみたいに、「笑い」がどんどん身体に入ってく多幸感といったらなかったです。兼好さんも楽しそうでした。(観客とスタッフはもちろん全員マスクだっだし、私も普段よりガード効果の高いマスクつけてたよ)

続いて我らが雀々さん。「ケイ ジャンジャンです」で上がる場内の笑い声もデカかった。彼がまくらで語るドタバタの日常エピソードが大好きなんですが、今回の「ご○ぶりライブ事件」も最高でした。
演目は「鷺とり」。上方の落語は初めて聴くものばかりなので楽しい。江戸っ子の雀となにわっ子の雀の様子も爆笑だったけど、捕まえた鷺を帯のところに通して腹まわりにぐるりとぶら下げるとか、五重の塔のてっぺんから飛び降りたけど着地した布団がトランポリン状態になってまたてっぺんに戻ったとか、こういう現実離れした表現はまさに落語ならではの面白さだよなあ。映像や舞台で見た目そのまま作っても面白くないもん。

仲入り後はキョンキョンこと喬太郎さん。開口一番、「本日は大手町パブリックビューイングにお越し頂きありがとうございます」で大爆笑をさらう。こういう時事ネタは生で聴きにゆく時のご褒美だよね。
演目は「おせつ徳三郎」。前半は旦那と小僧定吉のやりとりでめちゃめちゃ笑わせ、後半はおせつと徳三郎の悲恋で一気に泣かせる。久しぶりに喬太郎師匠を聴いたけど、ほんとすごかった。何というか、落語というより演劇を観てるようなダイナミックさがあるんですよね。

 

この演目表、誰が描いたんだろう。イラストも文字もとってもこなれてて可愛い。



頰の筋肉が痛い。腹筋がひくひくする。「笑う」というのはこんなにもひとの身体に元気と幸せをもたらすものなんだなと改めて認識しました。フツーに落語会ゆけてフツーに笑ってた時はそこまで思わなかったので、それに気づけてよかったと思います。
誰だよ寄席を不要不急だとか言ったおエライは。必要不可欠で火急の案件だよ。人間にとって、笑うとか喜ぶとかときめくとか歌うとか盛り上がるとかはさ…ほんと必要なのよ。大体そんなにまでしてオリンピックやるんなら、落語もライブも舞台もやるんだよばーかばーか!って思いながら会場をあとにしました。

 

 



そしたら同じビルのB1に東京では2店舗めのインデアンカレーがあるじゃないですか!神保町で途中下車してカレーでも食べたいなと思ってた私の気持ちを汲んでくれたのかな…ありがとうOtemachi One!

 


中途半端な時間には、ごはん少なめがちょうどいいのです。

 

 

プロの素晴らしい芸を観て笑って、好物を食べて。

最高のいちにちでした。