Popeyeの「男の子」感がすき。 | フーテンひぐらし

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永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。

 

私が自分で本や雑誌を買うようになった時、Popeye(ポパイ)はすでに存在していた。その頃からファッション誌だった。

 

 

同じような体裁で「いかに女の子にモテるか」を安直な感じで追求し、若い男子の恋愛マニュアルになっていた「ホットドックプレス」の方が目立っていたので(「ソープへ行け」でおなじみ、北方謙三の「試みの地平線」も連載されてたしね!)、メンズファッションに特化した感のあるPopeyeの方はあまり印象に残っていない。ホットドックとおんなじような雑誌だと思ってた。というかほとんど混同してたな〜といま気づいた。

 

数年前にPopeyeがガラリとリニューアルしたなーとは思っていた。「シティボーイ」という言葉を前面に打ち出していて、なぜ今さらこういうことばなのかなと思っていたら、これは創刊当時のコンセプトに立ち返ったんだね。

 

で、相変わらずファッション系の特集には興味がないのだけど、時折…いやわりと頻繁にやる食べ物系の特集のときは、たまらずに買ってしまうのだ。

 

リニューアルして、大きさと紙の質感、中身のトーンも含めちょっと往年の「リラックス」みたいなになったんだけど、とても面白くなったと思う。

(そういえば当の「リラックス」、復刊したものを買ったけどどうにも受け付けなかった…シャレのめし過ぎてて)

 

 

 

 

 

女性誌のグルメ特集の小ジャレ感、グルメ雑誌の情報優先感、そういうのがないのがいい。それぞれのコーナーごとに面白い切り口と凝ったレイアウトとイラスト、書き手の主観がたくさん入っている私的レポートぽさ。そして何より文字が細かくて多くて読みでがあるのが最高。

 

ページ1

 

最初はざっと眺めて、後で細かく読んでいくのが楽しい。

 

ページ2

 

あーハラが減るよ!

 

 

Popeyeの中に存在している「シティホーイ」はその言葉通り「男性」ではなく「男の子」なんだなとよく分かる。

キャップをかぶってハーフパンツにスニーカー、リュックを背負った永遠の男の子が、探検するように街を歩いて面白いものを探す。特集される食べ物も、決して「女の子をデートに誘えるイイ店」じゃなくて「フラッとひとりで入ってワシワシ食べられる男の子メシ」が中心。その感じが好き。

 

 

かつての「グラマラス」を始めとする「ちょっと気の強そうな女のオラオラなファッション誌」がどんどんなくなって、いま私が読みたい女性誌は無い。年齢的にどんぴしゃターゲットの雑誌はあるけど、美容院でめくるくらいでいい。買って読むほど惹かれる世界観がどうもなくて。
たぶん女性誌には「私たちの層はこういうものを狙っていかなくちゃ!」「男性に対してはこうするとトク」という押しつけがふんだんに入ってるような気がして、疲れちゃうんだと思う。

 

だから、あまり「女が横にいる生活」「年齢に添う暮らし方」を前に出さず、いくつであろうが男子だけで勝手に街を探検してマニアックなネタを収集しているようなPopeyeのトーンにワクワクしてるのかもしれない。
(まあ食べ物特集しか買ってないから、それ意外の号ではどうなのか知らないのだけど)

 


女性誌にも、そういうの、あればいいのになあ。
(もしかしたらリニュ以前の「クウネル」がそうだったのかもしれないなあ)