女に効く(かもしれない)。 | フーテンひぐらし

フーテンひぐらし

永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。


細かいことから大きなことまで、
女はいつでも悩ましいんだな。
相変わらずそう思う。


(そういえば「悩ましい」という言葉は
そもそも色っぽいというようなニュアンスであって
「悩みが多い」的に使うものじゃないんだけど
いつのまにか世間ではこの使い方が多くなったね)


20~30代は、主に内面的で繊細な悩み。
我々40代は、主に身内的身体的な悩み。

もちろん男が悩んでないわけじゃないのだろうが、
女ほど複雑多岐には渡っていないだろうなと思う。


昨日、重き荷を背負って
山道を一歩一歩行くがごとし、な書き仕事から
逃避してマンガを買った。


女子まんが



安田弘之「ちひろさん」最新巻
は、楽しみにいていたやつ。
私が元彼の本棚から強奪して以来、本当に好きで好きで
何度も読み返した「ちひろ」の続篇だ。


「ちひろ」で売れっ子風俗嬢だった彼女は、
「ちひろさん」で海沿いの小さな街のお弁当屋さんで働いている。

仕事は変わっても、彼女のスタンスは変わらない。

圧倒的に「ひとり」だ。

それを淋しがってもいないし自慢してもいない。
どこまでも「ひとり」を楽しんでいて、受け止めている。
その自由で強い孤独に、さまよう人たちが吸い寄せられていく。


もう一冊の鳥飼茜「地獄のガールフレンド」は、
ネットで見かけて気になっていたのをたまたま本屋で見つけた。

こちらはもう、読むそばから
「うあああーーー分かるっ」と地団駄をふむ物語。

ドラマ「問題のあるレストラン」が好きだった人なら、
どんぴしゃでハマるだろう。

女であることで浴びるさまざまな理不尽(しかもだいたい、
親切ヅラしてそれらはやってくるのが始末に負えない)
それが共感度マックスに描かれ、時に痛快にぶった斬られていく。

そして時に心臓抱えてうずくまるようなセリフに出会う。


マンガは娯楽。
何かの啓発のために読むもんじゃないけど。

どちらもぜひ、悩んでても悩んでなくてもいいので
女のひとたちと、そこに準ずる男のひとに読んで欲しい。

ああもうどうしてこの世はわずらわしいのだ。
ひとりになりたい。強くなりたい。
そう思うなら「ちひろ」「ちひろさん」を。

我慢して抑えてつくり笑いしてたけど、
何かを吐き出したい。誰かと肩を叩きあって分かり合いたい。
そう思うなら「地獄のガールフレンド」を。

たぶん、どちらも自分のことが
読む前よりはすこうし好きになると思います。


あと、ぐるんぐるん悩んでいる女子にひとこと。

たぶん知ってるとは思うけど、
すごく気にしてどうにかうまくやりくりしようとしてる
そのディテイル、他人は全然見てないし
全然気にもしてないから、
やりたいことやればいいよ。

「取りつくろった自分を好かれるよりは、
 本来の自分を嫌われるほうがましである」
って、どこかの本にも書いてあったから。



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