まとめてドドンと落語会。 | フーテンひぐらし

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永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。


今年は2月までなんと一度も落語に行けてなかった。
3月も後半は仕事で忙しくなるから行けない予定。
…というわけで、この時期に集中してダダッと観てきたよ。




ポスター



■3月1日(土) 12:00~ 渋谷に福きたるSPECIAL 新鋭個性派@伝承ホール


久しぶりの三遊亭兼好さんと、お初の立川生志さん。
兼好さんは「雛鍔」のすっとぼけた親子が楽しかった。
生志さんは私には今回は良さが分からず。
「らくだ」がね、ちと間が多くて長いなって思っちゃった。
兼好さんももう少しキレッキレのはずなのに少し鈍い感じが。
噺家さんは夜が得意なのか、お客がまだ硬いからか、
昼ひなかの落語って、時々はずすんだよね。



演目1



■17:00~ 渋谷に福きたるSPECIAL NEO爆笑王@伝承ホール


瀧川鯉昇さんと立川談笑さん。これは珍しいタッグ。満席。
タイプは違えどどっちも爆笑系。
二人並んだら孫と祖父みたいで、体格も全然違ってすでに面白い。

ぼーっと低テンションのように入っていくけど実は
ドタバタとアクションも多く濃い鯉昇さんの登場人物。
流れるように喋るのではなく、リズムが詰まったりする
(※トチるという意味じゃなく)ところが好きなんです。


何ともとぼけておかしい鯉昇さんの懐が安心するのか、
この日の談笑さんは本来の談笑さんと言えるくらい、
デンジャラスなネタ連発で飛ばしてたなあ。
宮戸川はまさかの元ヤン娘話&下ネタオンパレード。
そしてまんじゅう怖いをどうやって?と思ったら
パステルのプリンだのキャラメルマキアートだの、
スイーツどさどさ出てきた(笑)


いや笑った笑った。マーと行ったんだけど、
マーは談笑さんが気に入ってた。



演目2



■3月2日(日)19:00~ 渋谷に福きたるSPECIAL 古典ムーヴ春一番@さくらホール


どちらも俄然いま大人気、春風亭一之輔さんと柳家三三さん。
シニカルでとぼけた一之輔さんと正統派三三さん。タイプは違うけど
まあとにかくうまくて面白かった。


兼好さんの音源を聴いてものすごく面白かった「看板のピン」を
三三さんがやってくれて嬉しかった。(兼好さんの方が好きだったけど)
一之輔さんはまさかのシリアス話を最初に。
そして次は創作落語。「滑稽噺になると生き生きするねえ」と
登場人物に言わせてた(笑)彼のやる阿呆な男は天下一品だ。

なんかいま個人的に一番好きなのは一之輔だなとこの日も思った。


三三さんはうまい。ほんとうにうまい。一之輔さんのネタを
ちらりと取り入れたりするのもうまい。
面白いのも、シリアスなのも、ゆるぎない面白さなんだよな。


いつもは枯れた作りこみの三三さんだが、フリートークだと
少し口調が違うので「あ、やっぱまだ若いんだ」と気づいた(笑)




■3月5日(水) 道楽亭出張寄席「おかしな二人」@江戸深川資料館小劇場


私が初めて落語を観に行ったのが「五代目円楽一門会」で、
そのときぶっちぎりで面白かった二人がこの兼好さんと
萬橘さんだったんだよね。というわけで行かねばなるまい。


入口



チラシ


兼好さんまさかの定番噺「粗忽長屋」。やあー面白かった!
激しくすっとぼけた人をやらすと天下一品。


萬橘さんもまさかの前座噺「たらちね」。
でも面白い人がやるとこんなに面白いのかとびっくり。
なんだろうね、間とか喋り方とか顔つきもすごくあるんだけど、
普通に言っても笑っちゃうってすごい。

あと「崇徳院」が初めて聴けた。
兼好さんはおかみさんに続いて病気の若旦那もうまいなといつも思う(笑)
この日のお客さんはコアなファンなのか、笑い声がすごくてノリがよかったな。


どうでもいいけど「清澄白河」って東京一かっこいい駅名だと思う。



演目4



はあ、堪能した!
落語ってやっぱりものすごく面白い。
たったひとりで、舞台装置も照明効果も衣装チェンジもないステージ。
なのに自由自在に物語が進む。
いいなあ落語。



落語みたいな物語が描けたらいい。
滑稽噺って意味じゃなくて、
敷居が低くて、短いから軽く読めて、
身近なようでいて展開がフリーダムでとんでもなかったりして、
サッと終わるから後をひいて「もひとつ読もう」みたいな。