医師の言霊と、二人の齟齬と。 | フーテンひぐらし

フーテンひぐらし

永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。



今年も無事に確定申告完了。


今回は自宅で仕上げて提出にだけ行った。つまらない。
三階の混雑するフロアの熱気の中で仕上げるのが
ライブ感満載で楽しかったのだと気づく。
来年はまたそうしようかな…すごい並ぶんだけど。


やよいもexelも税理士さんも無論e-taxも使わずに、
帳簿から何からオール電卓手打ちのオール手書き、
という超アナログ手法でまたやり遂げた。


これ、誰に言っても失笑ののち哀れまれる。


そういうコンテンツとして楽しんでんだよ!




そのあと、先週の検査結果を聞きにS先生とこへ。
今日は午後診察の4番めという早さ!1時間半待ちという短さ!
検査は何ら問題なかった。
つまりこの腹は純粋な脂肪かガスということだ…。



先週勧められたので「抗ミューラー管ホルモン(AMH)」
というのの検査をした。その結果も出た。
乱暴に言えば「卵の在庫」。
卵巣予備機能(卵巣の中に残っている卵子の目安)の評価指標だそうで。

わたしはいま44歳だけど、数値的に37歳くらいだったので


「さすが若い!」と先生に褒められた(笑)


「あと5年は妊娠できるね!」と。


…先生わたしその頃50っす。


別にAMH=妊娠力ではないらしいし、
実際なかなかできてないわけだけど(笑)
S先生の言葉はいつも気持ちを明るくさせる。



医師というのは本当にいろいろだ。



あの専門の医院に行ってた時は
行くたびに「年齢と、円錐切除手術と、
多嚢胞性卵巣症候群のせいでどれだけ難しいか」

毎回毎回しつこく言われ、さらに
「もし妊娠できても年齢的に流産の可能性がぐんと上がる」
毎回言われて本当に行くたび暗くなって帰ってきた。


それでピリピリギスギスして参って通うのをやめてしまった。


もちろん厳しい現実を知ってるがゆえの
「だから早いとこ確実な手段を取りなさい」なんだと思うし
そんなことで通うのやめたら頑張ってる方に「甘い」と
お叱りを受けそうだが


フィジカルの結果がそれによって変わらないなら
毎度メンタルを追い詰めるメリットなんかねえだろ、と思う。



妊娠とか病気とか以外の、どんなことにしても
「まだまだいけるぜ」と思って暮らすか、
「いやもう無理っぽいよ私じゃ」と思って暮らすか。


私はこの先どうするにしても、前者で暮らしたいから
S先生のいささか楽天的すぎる盛り上げに心がほぐれて

腕をぐるぐるまわしたくなる。


「数年前は確かに多嚢胞性卵巣症候群の数値になってたけど
 いまの数値バランスをみると大丈夫だよこれ」


そうなんですよ、今のほうがなぜか生理周期とかも
とっても順調なんすから!と自分でもいいところを思い出したりする。



悪い病状のときは悪いとはっきり言うけど
「大丈夫、僕が治すから」と胸を叩いてくれ、
無駄ななぐさめは言わないけどプラスの部分を見つけて
「よかったね!」というところを大きく言ってくれる。
そういう先生に出会えてよかったなと思う。




そういや午前中から佐村河内さんの記者会見がやっていて、
クリニックの待合室でもテレビが延々特集していた。


私は彼に騙されたわけでも害をこうむったわけでもないので
正直、「世間を欺いた」ことに対してはどうでもいい。


それで実害があったりひどく裏切られた人々が怒るのは分かるが
ろくに知らん人々が正義代表の顔をして一斉に吊し上げようとする

あの感じは何となく気持ち悪い。


かといって、あのひとをかばいたいとも思わない。
あの記者会見で、彼はその「世間」とやらの気持ちが
すこしだけ緩むかもしれないチャンスを逃したな、と思う。


謝るというよりも反論しているほうが印象が強くなったから。



しかしあれでつくづく思ったのは
佐村河内さんと新垣さんそれぞれの真意とか裏とかを
さっ引いたとしても、人ってのは


「私はこう言った」
「いやそんなことは聞いてない」


「ずっとこういうつもりだった」
「そんなの伝わってないから気づかない」


という齟齬は、何年タッグを組んでる間柄だとしても
決してなくなったりはしないのだなということだ。


何となく平穏に続いてるから、暗黙の了解でこれで行けるんだ。
そんなふうにどちらかが思っていたとしても、それは違うんだ。


どっちかがぶすぶすとくすぶる不満を抱えていたり、
こちらの思うこととは全く違うことで動いていたり。


だから、こちらが言うこととあちらが言うことはたいがい、真逆。
それぞれに聞くと、まったく違う側面が見えてくる。
でもそれはお互い「自分のほうが真実だ」と思っている。


友達でも、恋人でも、夫婦でも、そして組織でも。



だからやっぱり折に触れ「あんたどう思ってるよ」と
ひざを突き合わせて話さなくちゃ、ああなるんだと思う。


佐村河内さんも、新垣さんと定期的に仕事についての
四半期面談とか、すべきだったんだと思うよ(笑)


いま記者会見をひらいたら、きっと

私と夫も、あのくらい真逆の主張をお互い言い張るだろう。

何の記者会見かしらないけど(笑)



さて、病院と税務署がひと段落したから
仕事にがっつり専念できるよ。