背後からの敵。 | フーテンひぐらし

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永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。


女性たちの、
若くない女に対する漠然とした意地悪さ、
あれはいったい何だろう。



「20代に見られる、実は50歳の女性」


そんなふうに評される、若く見えるその女性に対して
「そんな若くねー」「どーみても45」などの言葉をぶつけるのは同性だ。


それはまるで「調子こいてんなよ」の言い換えのようだ。



こないだ開催していた美魔女コンテストにも
「いったい誰が喜ぶわけ??」と辛辣だったのは年若の同性だ。


「無理してでも若くあろうとする」その姿勢に

なんか違うだろそれ、とモヤモヤする気持ちは分かる。
またそれが至上の価値でないのも、もっともだ。



でも、何がそんなに気に入らないのだろう、

なぜ叩きたいのだろう、といつも不思議に思う。




彼女たちは身近な特定の個人をdisったりはしない。


だけど、不特定多数に対する


「いい年こいてんだから、若ぶったり
攻めの姿勢とったりすんじゃないわよ」
という気持ちを込めた
「イタいよ」「身の程知れよ」の目線は、はたから見ていて結構キツい。



まるで己は決してその年齢にはなることがないかのようだ。


それとも、その年齢になったら
自分は身の程を知って後ろに引っ込むというのだろうか?
ほんとに?




自然に年をとってシワも増やせばいい、
と思える女は幸福だし、
称賛されるし、たしかに格好いい。
だが、それがどうしても嫌でもがいてる女を
「イタい」と言うのは少し残酷だと思う。



「老人は老人らしくおとなしくしてろ」に似てるよね。
スマートでもスムーズでもない人は、地味に暮らしてろというあれ。




まあ、自分が何か言われたわけでもなく

もし言われたとしても意には介さないどころか

むしろ年増は得、としか思えない日々だったりするので

どうでもいいといえばどうでもいいぼんやりした感覚なのだが


ひたひたと浅い水たまりのように女たちの足元を満たすその意地悪って、

いつか若い女自身もそれに足をとられて転んだりするから、
ほんとはいらないよなあといつも思うのであった。