落語アルデンテ | フーテンひぐらし

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永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。


■2月20日(水) 我らの時代 落語アルデンテⅥ @池袋芸術劇場ウエストホール

この日はマーを拉致!
マーは志の輔以外の噺家さんを初めてナマで聴く、という贅沢ぶり。

芸劇


ああ我が青春のホームタウン池袋。
大学で4年間過ごし、その後目白に6年間くらい住んでたので。
いまは渋谷近辺に長く住んでいても、やっぱり
サンシャイン60が見えるとホッとする、私の心は豊島区民。

中

地下


何か芸劇の中がえらいことキレイに生まれ変わってるけど!?
建て替えか改装をしたみたいだねどうやら。

アルデンテ


アルデンテの会は、この人気噺家4人で何年も前からやってるそうで、
今回が6回めだそう。ああどうしてもっと早く来なかったのか。

マーは前座さんが始まったと同時に駆け込んできた。

この会、今回は2daysで、今日は「白アルデンテ」。
善人しか出てこない噺をやる(翌日は黒アルデンテ)そうだが
そんなはずもなく…。


★前座 「元犬」 林家 扇
「落語界の剛力彩芽」と名乗った扇さんはショートカットの女性噺家さん。
剛力彩芽より何より、私はその名前のせいでずっと湯婆婆の
「きょうからお前の名前は千だよ!」というセリフがループしていた…。
人間に生まれ変わったシロという犬の悪戦苦闘ぶり。
元気はよいけどまだまだワハハと笑えるかんじではないかなー。

★「馬の田楽」 桃月庵白酒
カピバラとか何か可愛い動物に似ていると評判の白酒さん、
まんまるでにこやかな風貌が何ともなごむんだけど、
結構毒のあるところがギャップで(笑)
それにしてもこの方は達者で安定感があるなあ。
ズーズー弁の馬子と土地の人々とのやりとりが何ともおかしい。
テレビなら放送禁止な用語もばんばん出るのがよかった(笑)

★「露出さん」 春風亭百栄
気弱そうだけどどこかに狂気を秘めた芸術家、といった風情の百栄さん。
何ともふわふわと怪しげな登場。
そして噺は新作落語(自分で創るオリジナル)なのね。
タイトルで想像できるとおり、ズバリ露出狂のおじさんの話。
露出狂生活20年、地域にすっかり馴染んでしまって
住民にも適度に愛されてしまって、もう誰もキャーと言ってくれない(笑)
いちばんツボッたのは
巡査「露出さん、あの途中下車する旅番組でリポーターやってましたよね?」
露出「ええ…。でもあの番組、“ぶらり”の意味をはき違えてますよ」

~仲入り~

★「熊の皮」 三遊亭兼好
「白アルデンテなのにわたし以外は全員悪人」と言い放ってたけど、
わたしは兼好さんがいちばん毒吐きだと思いますよ(笑)
いい人、とか、いい旦那さん、とかは褒め言葉じゃない、というまくらから。
人の好い亭主が、仕事から帰るなり強いおかみさんに
「ついでにそれやっとくれ」と家事をあれこれと言いつけられる。
出ました兼好さんの恐妻&気弱亭主!最高。
この亭主がものすごくすっとぼけた人で、
兼好さんの「え?え?誰が行くの?おれ?お前?」という
すっとぼけ真骨頂が存分に観れて満足(笑)

★「不動坊」 春風亭一之輔
「井戸の茶碗なんて何だありゃ…とっとともらっとけよな300両!」と
こないださん喬さんで聴いたばかりの善人噺に毒を吐いてて笑った。
一之輔さんのグズグズと愚痴りながらシュールにボケて最後に
「よく分かりませんけども」というあの一連がとても好きです。
「出てくる人が全員憎めないという、私のお気に入りのナンバーから一曲」
という紹介が面白かった。
ひとり者の利助が、後家になったお滝さんといういい女を
嫁にもらえることになって浮かれ舞い上がって妄想を始めるくだり、
利助にひと泡ふかせようと不動坊の幽霊をでっち上げることを
思いつく長屋のひとり者たちのしょーもないドタバタ、爆笑。
ちょっと長かったので途中飽きたけどね(笑)
朝早かったマーは、佳境に入ったところで見事に舟こいでた。


プラチナチケットの志の輔しか観たことなかったマーは
「いや、全然おもしろかったよ?」と言っていたが、
終演後ごはんを食べながら「あの噺がさー」と言っても
「なんだっけ?」と一切記憶してないところが落語の登場人物のようだった。