鑑賞ざんまい録 | フーテンひぐらし

フーテンひぐらし

永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。



Twitterで「馬主になったら一度はつけてみたい名前」というタグがあり、
そこでひそかに考えた



ハナノサンジュスト



という名前が我ながらかなり気に入ってる広野ですこんにちは



広野ゆうなのフーテンひぐらし-サン・ジュスト

冷徹で美しい馬になりそう



ついでに「ジムアンドジェーン」というのも考えまして、
これはこれでチェッカーズファンの方々にはたまらないと思いますが
歌の内容が内容だけに、馬が非業の最期を遂げるんじゃないかと心配(笑)




9月は氣志團万博前後に精力的にいろんなものを観に行ったので
それを備忘録がわりに記しておこう



ほんとはひとつ1記事にして語りまくりたいくらいだが
もう更新がおっつかないので仕方ない




■9月12日
ほぼ1年ぶりに、国立劇場にて文楽鑑賞。もちろんひとりで!
演目は「傾城阿波の鳴門」と「冥土の飛脚」。



広野ゆうなのフーテンひぐらし-ぶんらく


文楽はね、ホントもっとみんな観たほうがいいよ、面白いから。
面白さについて2時間くらい語りたいのだがものすごい雑に言うと
人形遣い・浄瑠璃を語る太夫・三味線の「三業」それぞれを観るのが楽しいんだよ。



みんな舞台の人形に注目しがちなんだけど、私は太夫&三味線の
「黄金のバッテリー」を観るのが好き。(だからひとりだけ視線が上手側)
同じ話の中で太夫&三味線は何度か交替するのも面白ければ、
それぞれのコンビによって全然雰囲気や語り口が違うのも興味深い。
でも人が替わっても話に違和感がないのがさすが。



パンフの中にかならず「床本」 (台本みたいなもの)が入ってて
ここに太夫が喋ることは全部書いてあるので、これを追いつつ観るのが楽しい


広野ゆうなのフーテンひぐらし-床本


そして文楽のお話って現代の感覚で観るとすんげえ不思議で
ツッコミどころ満載なのも好き。


「傾城阿波の鳴門」は、なぜか文楽によくある
「わが子と知らずに殺してしまう」パターン。アホや不注意や!と。


次の「冥土の飛脚」は有名な梅川忠兵衛の心中ものなんだけど、
忠兵衛が大店の若旦那なのはいいとして、店の金を梅川のために次々使い込んで
にっちもさっちもいかなくなって「俺と死んでくれ」はそりゃないだろうと。
梅川よ、そんな甲斐性のない男となぜ死に赴く!?みたいな(笑)
…でも現代では理解できないあれこれがあるのだろうが。


鑑賞後にみんなで盛り上がる度合いが意外に高いと思うよ、文楽。


ああ、本場大阪でやる「仮名手本忠臣蔵」が観たい…!




■9月20日
毎日新聞落語会「渋谷に福来たる」~落語ムーヴ2012~@渋谷 伝承ホール



広野ゆうなのフーテンひぐらし-福きたる


またも三遊亭兼好さんを追っかけて来ました。
この日はじめて落語を観るという後輩・マスミと。


しかし落語ももっと若い人来たほうがいいね、アラフォーの我々が
平均年齢をさげているくらいの客層だったよ。



 ★柳家わさび(二ツ目) 「エアコン」
  意外や意外、創作落語。
  今どきのアホな若造は面白かったけど、リアルすぎて年配層には
  伝わりづらい。逆におじいちゃんの芝居が戯画化しすぎていて
  リアルではない感じがした。まだまだこれから、といった感じかな。


 ★三遊亭兼好(真打) 「七段目」
  まくらは延々と他の伝統芸能についてマネをしつつ語ってたのだけど、
  これが演じ分けがうまい。どれもよく観ているのだなーと感心。
  そこから歌舞伎狂いの若旦那の噺に続いてゆくのでなるほどと。
  仮名手本忠臣蔵のお軽のシーンを旦那が「ごっこ」でやるので
  それを知らなきゃ何を言ってるのか理解するのが難しいかも。
  それでもやっぱり楽しくほがらかにドタバタとやる兼好さん、いい♪


~仲入り~


 ★立川志らく(真打) 「親子酒」
  観たかったんです、この方!
  いやあ、立川流って本当に実力者ぞろいなんだなあ…。
  とにかく上手いです、面白いです、安定感ありです!
  間に、呑ん兵衛のおやじの口を借りて、他の噺家の悪口や
  いまの政治家の悪口を言うところもサイコーでした。
  私の前のおじさまは、手をバンバン叩いて大うけしてたよ。
  おかげで帰宅してからいろんな人の「親子酒」を聴きくらべたよ。


 ★三遊亭兼好(真打) 「抜け雀」
  兼好さんの会なので、トリにまた登場。
  落語は当日まで誰が何をやるのかは分かりませんが、
  この「抜け雀」だけは事前にやるよと告知があった。
  ボロくて儲かってない宿屋に文無しが泊まって、宿代の代わりに
  屏風に雀を描いて去るのだが、その雀がちゅんちゅんと抜け出て…。
  笑わせる噺ではなく、どっちかっつと人情噺の方向なので
  サゲが大して面白いわけじゃないけど、宿屋の夫婦のやりとりが
  恐妻家(?)の兼好さんらしく面白かった。強い女房と、すっとぼけた亭主。
  兼好さんは明るいボケキャラを演るのがすごく面白いのだ。



落語初体験のマスミは逆に兼好さんがさほど好みじゃなかったようだが、
楽しかったみたい。これをきっかけに落語にハマッたっぽい。
噺家さんの好みは本当に人によって分かれるので、自分の好みを見つけるまで
色々みるのがまた楽しいね。




■9月22日
「ウエストサイド物語」シネマティック・フルオーケストラコンサート
@東京国際フォーラム



広野ゆうなのフーテンひぐらし-ウエストサイド


eプラスのすすめにしたがって勢いで取っちゃった。母親と行った。
指揮が佐渡裕さんで、私はこの方をまったく知らなかったのだけど
すごい人なんだね。だってレナード・バーンスタインの弟子なんだよ!
その人がバーンスタインの曲を、スクリーンの前で生オケで振ると。



私はオーケストラに全然興味がないのだけど(ごめんなちゃい)
三度のメシよりウエストサイドが好きなので、それを観つつ
音楽を全て生オケで演奏してくれるなんてまさに夢の企画だ!


リマスタリングされた映画はとても鮮やかで美しく、
序曲(ミュージカルの最初は、作中の曲が全てメドレーで流れる)から
オーケストラが華々しく演ってくれたのはもう鳥肌もの。


佐渡さんは関西弁でエネルギッシュな指揮で、以前より大分やせた
(私は知らないので母親談)ぶん、ちょいセクシーさもあり。
とてもモテそうなおやじね! (でも私の8コ上なだけだった…!)


彼の譜面台の前には、映画がうつる機器(ipad?タイミングやリズムが
ラインで出てくるしかけだった)があるのだけど、オーケストラの人々は
スクリーンに背を向けているわけで。
映画では、登場人物たちが曲にあわせて歌ったり踊ったりしてるので
生演奏でちょっとでもテンポくるったらヘンになるはずなのに、
ばっちり合ってる。不思議だ!すばらしい。



セクシーNo.1ガイのベルナルドが、
私の永遠のアイコン、アニタが、生演奏で歌い踊る。


捨て曲なし、捨てメンなし。
もう最高でございます。


何十回も観てるのに、やっぱり最後のシーンは泣いてしまった。


ウエストサイドは、やっぱ ネ申



(好きすぎて冷静な感想が出てきませんすいません) 


 ※しかし今回初めて気づいたんだけど、ジェット団にいる
  小さくてずんぐりむっくりで短気な「アクション」君、
  何だかつい最近観たような記憶が…と思ったら、
  彼、早乙女光とかなりかぶってるよね!?




文楽、ロック、落語、ミュージカル(オーケストラ)
我ながらバラエティに富んでる9月後半だったなあ


インプットばっかりしてアウトプットしてないのが反省点です。