「呪い」に気をつけろ | フーテンひぐらし

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永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。



以前、電車で片手に赤ちゃんを抱えたママが
もう片手でベビーカーを持ち、頑張って下車しようとしたところ、
後ろにいた女性が自分は降りないのにサッとベビーカーを持って
ホームにおろしてあげたのを見た。


ママを囲むように立っていた男性たちは
みんなスマホの画面と首ったけで全く気づかず、
そして私も、結構離れていたとはいえそこまで気が回らなかったので
そのお手伝いした女性はすごいなーと思った。



それをTwitterでつぶやいたところ、
共感のコメントもたくさん寄せられたがその中に



「そもそもベビーカーで人の多い電車に乗ること自体、常識知らず」


とか


「ベビーカーをたたまないで乗ってたならそのママは迷惑。助ける必要なし」


という意見が出てきた。




何、その思考?
とびっくり。



朝晩のラッシュアワーみたいなぎゅうぎゅう時間でもないし、
ママひとりで、赤ちゃんがぐずって仕方なく抱き上げたなら、
片手で畳むことなどとっさにできないだろうが



ベビーカーで迷惑な思いをしたり、常識に欠けた世のママさんのふるまいを
過去に見た人もいるだろうけど、それはベビーカーのママ全般が
いけないのではなく、そのひと個人の問題だ。
それはママじゃなくてもどんな人間でも同じことだ。




お年寄りだったり、身体が思うように動かなかったり、
車椅子だったり、ベビーカーだったり、
最高にスムーズな公共ルールや流れには
どうしても乗れない人はいる。



そして、例えば結婚してるのに子を持たないとか
そもそも結婚しないとか高齢で子を持つとか老齢で恋愛するとか、
同性同士で未来をつくっていくとか
世の「常識」にのっとらない方法を選ぶ人もいる。




世の中には、そんな「スムーズさや常識を乱す人たち」に対して
すごい正義ヅラをして「人並みの願望を持つこと自体が罪悪だから、
表に出ずおとなしく生きるべき」
と真剣に言う人が少なからずいる



何がすごいって、自分が怪我したり
子供できたり年取ったり思わぬ意識変換があって
その立場になるかも、という想像をいっさいしてないことがすごい



そして、どんな人でも
「この時間、この電車に乗らざるを得ない」とか
「どうしても、こういう方法を選ばざるを得ない」という
状況があるのだということも想像できてない


すごい話である




特にママたちは、
こういう社会の「べき論」にさらされがちだなと思う。



そしたら今日、
私のとってる有料メルマガで鍼灸師の若林理砂さんが
先日話題になったくわばたりえさんのブログや自身の育児の経験もふまえて


「多分、日本のお母さんがたは毎日毎日、呪いをかけられてるんだと思う。」


と書かれていた。



一部抜粋させていただきます


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アレもコレもソレも全部やらないとならない、母乳じゃないとダメ、
離乳食は規定のグラムで全部食べさせないと、おむつは早くはずさなきゃ、
食事は全部手作りでないと、迷惑がかかるから子供連れで外出しない、
子供に怒っちゃダメ、ひっぱたいちゃダメ、家事はちゃんとやって、
育児と仕事の両立しなきゃ、一人っ子じゃ……。


……自分がダメな母親になっちゃう。
……子どもがちゃんと育たなくなっちゃう。


呪いです。ホントに。上記全部こなしたとしても、
良い母親で良い子どもに育つという保障なんかありません。
こういう呪いがあっちこっちからかけられてるんだと思うのよ。


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そうだよな


ママたちはいつだって「カンペキに母」
「カンペキに善」
であることを求められがち


そうでなければ、産む資格も育てる資格もなし、
みたいに言われがち


ガマンして当然でしょ、と周囲に押し付けられがち




世間は、パパにはそんなこと、押し付けないのにね?




そりゃあ、ママはしんどいと言いたくなるよ。





理砂先生は言う。
「○○をすると、××になってしまうからダメ」
ということがきちんとした因果律で結べるならそれは呪いじゃないけど、
「一呼吸置いて、ちょっと考えたら因果律が働いていないのは、全部呪い」だよと。



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だから、心無い言葉を目にしたり、妙なことを周りから言われたり、
子供に「こんなお母さんでゴメンね」って謝ってばっかりになったら、
「あ、呪われたんだ。呪いを解かなきゃ」って思って、力を抜きましょう。
                            
(ふたたびメルマガから抜粋)


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ほんとうにそうだね。

そこはずぶとくていいのだと思う。





これのひとつ前のメルマガにも理砂先生は
「女を脅すな」という趣旨のことを書いてる↓



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現在の世界が女性のカラダを抑圧している事が多いのも、
臨床家である私自身よーーーーくわかってる。


でもね。女の体を脅すのはいい加減やめないか? 
女性の体は素晴らしい、自然のリズムを持っていて、
男性のカラダよりも敏感で繊細で……って言っている
人たちが、女の体を、心を、脅してどうすんだ。
結局逆方向から抑圧しているだけじゃないか。


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「自然のままが素晴らしい!化学的な○○は
 女性の身体にこんなに害悪がある!」
と声高に
言うものがたくさんあるが、その根拠があまりに
ないものも多くて驚くそうだ。




世の中にはいろんな選択肢といろんな意見があるよね


特に女性に関しては、結婚から婚活から
女性特有の病気から妊娠出産育児にいたるまで
星の数ほどの「選ぶ道」と「ご意見番」が存在する



私はそれを自分の意志でゆるやかかつ臨機応変に選び取りたいし
他人の「べき論」では絶対に道を決めたくないし
まして見ず知らずの人に「善悪」を押し付けられたくない



例えばね
今もう大変な容疑者みたく言われてるピルやワクチンも
実際に頸がんの一歩手前までの病状があった私には
すごく助けになるものだったんだよ ほんとに


もっと早くワクチンを知ってれば、16型に罹患して

円錐切除することはなかったかもだし

もっと早くピルを使ってればPMSとめちゃくちゃな生理周期に

ぐったりし続けることもなかったかもなんだよ


私にとってはね

プラスにはたらいているよ


これは白!それは黒!という誰かの誘導に
おろおろしてゲタを預けたくない。
それがたとえ「自然」とか「善」とかの包装紙に包まれてても。


たとえ最終的に「ああこりゃ間違ってたな…。(´д`lll) 」
思ったとしても、自分の人生だから自分が責任取るよ。




世の女性たち、負けないで己を責めないで
自分らしく頑張ってください。


私も、いろいろ頑張ります(笑)




若林理砂先生のメルマガ
「鍼灸師が教える一人でできる養生法」
精神的なことだけでなく、からだのこと食べ物のこと、
役に立つことがいっぱいあって、かつ肩のちからが
ゆるりと抜けて、でも時々、目ウロコでハッ!とすることがあって
おすすめですよん。