アレに関する女性会議。 | フーテンひぐらし

フーテンひぐらし

永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。


女子が出かける「トークショー」というのは二種類あるのだと最近知る


ひとつは「女子力アップ」系


パネラーはカラーコーディネーターやら
自分のブランドや会社経営者やら芸能人やら
とにかくきらびやかなセレブ(死語)である


オシャレなドリンクにフィンガーフードが出たり
タイアップ企業のお土産があったり
そして会場に出かける女子もキラキラ系キラキラ


そこで皆さん、
「より魅力的な女性になるための内外面のあれこれ磨き」を吸収していくのだ




もうひとつは「サブカル」系


パネラーはライターや作家やその他珍しい職業の方々
会場はロフトに代表される狭くてちいさなハコ
ドリンクもフードもあるけどガツガツ飲み食いするぜ!的な。
集まる女子はもちろん「こじらせ」系


そこでは「女子力」をつけるどころか
「そもそも女子力という幻想自体が邪魔」
「本当は私たちはこうしたかったんだよバカヤロー」
という本音を両手叩いて爆笑したりぶんぶん首縦に振ったりしながら
共感するのであった 笑



最近わたしが出かけて楽しんでるトークショーの数々は
ぜんぶ後者であることに気づいた。



モテから最も遠い場所!


でも 「生きにくい」「焦っている」「自分はダメだと思う」
という悩みを抱えているひとは、女子力つけなきゃ!とか思う前に
後者のトークショーに出かけていくほうが、
ずっと目の前が晴れやかに、そして足取りは楽ちんになると思うよ 笑




というわけで



少し前になりますが去る5/21(月)


恵比寿リキッドルームにて
湯山玲子さんの新作「ビッチの触り方」刊行記念
「アレに関する女性会議」
というトークショーに行ってきました


ライターのマツとたろうちゃんを連れて。



もちろん湯山さんの著作と語り口が大好きだからというのが大前提ですが
とにかくここで語るパネラーの皆さんがすごい。


★岩井志麻子
「ぼっけえ、きょうてえ」で日本ホラー小説大賞を受賞した作家。
最近ではエロキャラに振り切れており、西原理恵子の漫画にもよく登場。


★中島敏子
マガジンハウス「BRUTUS」編集者、「relax」副編集長を経て
現在は「GINZA」の編集長。


★中野香織
服飾史家・明治大学特任教授。過去2000年分のファッション史から
最新モードまで、幅広い視野から研究・執筆・レクチャーをおこなっている。


★町山広美
放送作家。バラエティーを中心にテレビ番組の企画・構成を手がけつつ
雑誌、新聞で連載コラムを多数執筆。ナンシー関さんとの共著もあり。


★徳永京子
演劇ジャーナリスト。朝日新聞劇評の他、雑誌、webなどにインタビュー、
寄稿文、作品解説などを執筆。東京芸術劇場運営委員および事業企画委員。


★軍地彩弓
フリーライターを経て、「ViVi」でファッションライターとして15年活躍。
その後「GLAMOROUS」の創刊に携わり、ファッションディレクターに就任。
「GQ」編集長代理などを経て現在は「VOGUE girl」でクリエイティブ
ディレクターを務める。




女子力関係とは全く別の意味ですごいキラキラ…いや
ギラギラしたキャリアがすげーーーーアップ



湯山さんは今回進行役なのだが、このメンツだったら
それでも一筋縄ではいかない深いトークが楽しめそう!と思い、
ていうかそもそも岩井志麻子さんの激烈なシモトークが
聞きたいと思ってわくわくしてた


ロフトと違って(いやロフト大好きなんですよ…)リキッドルームの2階にある
「KATA」というギャラリー兼イベントスペースはかなりシャレオツ


そして会場にいるお客さんもいつもと違う…!
とにかく「大人度」がバカ高い。
私でさえ若造に見えてしまうほどに。



男性も数少ないがいて、スーツを着たビジネスマンから
半白の髪とおヒゲが渋い、オシャレ業界人的なおじさまも。


そして女性たちはズバリ「成功してそうなバリキャリ&一国一城の主」の雰囲気。


アラフィフとおぼしき女性も多いんだが、服に金かかってそうで
でも単なる着飾った人ではなく、イメージはあれだ、
ドラマ版「SATC」で、シャーロットのギャラリーに大挙して訪れた
パワーレズビアンの皆さんみたいな迫力と華やかさ
だ。


うーむカッコいい…!



そんなこんなでトークショー開始


いろいろなテーマについて湯山さんがパネラーに話を振っていくかたちなのだが、
何がすごいってやっぱり志麻子ねえさんで、どのテーマに行っても
いつのまに「志麻子劇場」になってなかかな戻ってこれないという事態に



あまりにもあけすけでかつ想像を絶する面白シモネタに場内爆笑。
でも志麻子ねえさんのがっつりした岡山弁だと、何だか
たいへん貴重な民族文化の話を拝聴しているような気分になってくる。



志麻子語録のうち、メモっていた一部を箇条書きにしてみるが
もしかしたらこの箇条書きだけでアメーバーの検閲に引っかかるかも



★岡山の男はみん高松のソープに行くので
 高松行きのフェリーに乗ってる男はみんなソープだと思っていい


★息子の彼女が森ガール的だったんだが、森ガールはヤリマン


★自分の息子がソープに行ったら明らかに年齢を大幅に偽った女性が
 出てきたと言うので、私が電話して文句を言ってやったら
 ソープの人が「お母さん、ソープ年齢っていうのがあるんですよ」


★寂聴さんはいま90歳なんだけど、会ったとき
 「51からしてないから、したい」って言ってた

 …あれ?これ言っちゃいけなかったのかな


★キン○マをナメるのってデフォルトでしょ?オプションなわけ?
 みんなどうなのよ!?


★記憶の中でチ○ポは大きくなってる
 (※昔の恋人は美化されると同一の説だと思う)


★友人で、ヤギとヤッたという男を知っているが
 「ヤギから誘ってきたんだ」と言い訳していた。
 しかも彼は次にエイ(もちろん海で泳いでるアレ)とヤッたらしく、
 「陸・海」を制したからあとは「空」で、コンドルとかとヤるべきだ



面白くて死ぬかと思った


もうこれからは世間の一般女子が言う
向かいの男の劣情喚起を意識した下ネタなど
「下ネタ」と呼んではいけない


それは志麻子ねえさんの心意気に対して
あまりに失礼だと痛感しました





もちろん他の方々のトークもすごく面白かったんです



みなさん総じて本当に頭がよくて気っぷがいいなあと。


素アタマの良さに長年の経験と知識と自信が加わるから
ひとつのシンプルな問いかけに対してものすごく深くて
おもしろい答えが出てくる。


常々「女にはオモロイ人が極めて少ない」という差別発言をしてきた私だが
いるところにはいるんだなあと



やはり「オンナ♪」という部分に寄りかからず、
世にもまれて自分の仕事をまっとうしてきているひとは魅力的だ。


(オンナの部分に潔く寄りかかってそこで独自路線を展開するひとも大好きだが)


話を聞いていると、普段女子が悩みがちなことが
すべてどうでもよく瑣末なことに感じてくる。
それよりも、人間としてやるべきことがあるんだよ、みたいな(笑)



志麻子語録以外で、メモっていたワードも列挙してみよう



木嶋佳苗について。

 ・彼女はスペックの女である

 ・脳内美女である
 ・婚活市場で他の女たちが捨てたパイを取りに行ったのが佳苗だ
 ・今回のことで50代男性の「名器信仰」がハンパないと知った
 ・男性週刊誌での彼女の扱いは化け物みたいなんだが、それは
  50~60代男性の望む「演歌」の要素が彼女のどこにもないからだと思う



★(ファッション誌に携わる者として)木嶋佳苗の事件でショックだったのは
 男性にモテていい暮らしをして…という「女の目標」に、ファッションが
 まったく機能しなかった(機能しなくても行ける)、ということだった



★谷亮子は大学時代ハンパなくモテたらしい
 コンビニで実物(風呂上り)を見たが、
 同性ながらすごくセクシーだと思った



★整形繰り返し疑惑のあるゴマキや釈よりも
 谷亮子や木嶋佳苗のほうがモテる
 この両者を比べると「美人とは何ぞや」と考えさせられる



★「男はいい女とヤリたい」とは限らない
 「自分が負い目を感じない女がいい」という男は多数いる



★相手との身体距離が近い人は男女問わずモテる
 →格闘家や柔道家は常にそれに慣れているからモテると思う(谷さんも…)



★大義(○○のために戦う、働く、危険な場所に赴く等)ができた時の
 男のスイッチの入り方はすごい。顔つきが変わる



★近年の男たちは、ファッションで社交を始めた。
 (社交のツールとしてのファッション)
 「テーラーと僕」などの関係性を大事にするのは男。


などなどなど…。



しかしいちばん面白かったのは、
最後の最後で湯山さんが振った質問に対するふたつの答えかな。



皆さん部下を抱えるリーダーばかりなので、
「男の部下や若い男たちをどう思う?」と聞いたら
軍地さんがぽつりと



「すぐ風邪をひくよね…」



場内爆笑
そしてパネラー全員激同



部下としては、女のほうが腹が据わっていて、
徹夜もいとわないしガムシャラにやるそうだ。
それに対して男は37.2℃くらいで会社を休むと(笑)
「それはうちの夫もそうなんだけどね」だそう。


パネラーの皆さんは総じて
「男のほうが繊細でジェラス」と言ってました 笑




あとひとつは
「嫌いなタイプの女ってどういうの?」という質問に
徳永さんがこのように↓



「アラフォー」の「アラ」部分を乗り越えた途端、周囲が
「大センパイなので…」「大御所で…」と勝手に色々とのっけてくる。
(例えば他人にこちらを紹介するときなど)


それをいかに知らないフリをするかを
ここ数年試されている気がする。


そしてそういうシーンにおいて
こちらのことをそういう重たいキャラに祭りあげつつ

「私はぜんぜん…」みたいに、
相対的に自分の「気安さ」をアピールするオンナが、嫌いです。



と答えてたのに首をぶんぶんタテに振った 笑

わかるわかる…。



あと湯山さんの
「わたしの嫌いなタイプの女?…若い女!
っていう素直なひとくくりぶりにも笑った



とにかくできたら夜通し聞いていたいような、
面白くてかつためになるトークショーでした。


またこういうメンツで第二弾をやってほしいです。


そして志麻子劇場はぜひ単独で開催してほしいです 笑 



※ちなみにこの日のメモは外部のひととの仕事用のノートにメモったので
今後うっかり打ち合わせの場で開かないよう注意が必要です…。




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