歌舞伎デビューは襲名披露 | フーテンひぐらし

フーテンひぐらし

永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。


氣志團の2月GIGと3月GIGのあいだ


冷静と情熱のあいだに行ってきたのが
人生初の歌舞伎鑑賞



文楽、落語、ときて
次は歌舞伎でしょうと思いつつも
何だかいちばん敷居が高くて自らチケ取りとかせず
母が「一緒に行かない?」というのにノッてきました


それも中村勘太郎が勘九郎を襲名する記念の公演ですざ



広野ゆうなのフーテンひぐらし-歌舞伎ポスター


歌舞伎座で観たかったけど今はないから新橋演舞場に初参戦



広野ゆうなのフーテンひぐらし-演舞場


開場が押して入り口前は熟年の皆さんがものすごい押し合いへし合い
パワーはんぱねえっす Zeppの若造たちも負けるっす


演舞場は国立劇場に雰囲気が似ていてキレイですね
今回は2階のお席です



広野ゆうなのフーテンひぐらし-場内


文楽よりも落語よりも、歌舞伎がいちばん年齢層高く
わたしって若者なのかしらと40代が勘違いする雰囲気


我々が観た夜の部の演目は


1. 鈴ヶ森

2. 襲名披露口上

3. 春興鏡獅子

4. ぢいさんばあさん


人生初のナマ歌舞伎は「鈴ヶ森」となったわけで
いきなり汚れ放題の雲助たちのワイワイガヤガヤから始まったので
「ザ・歌舞伎!」の絢爛豪華ではなくてちょっと意外


しかし父ちゃんの勘三郎が出てきて
そのうえ私の大好きな中村吉右衛門さまラブラブ
極道の元祖といわれる幡随院長兵衛として出てきて
この2人が舞台上でサシで勝負してるなんて、
初歌舞伎としてはすごいラッキーだったかなあと。



でもあれなんですね
歌舞伎って想像したよりはセリフが現代的なんですね
そしてちょっとした現代的なギャグとか身内ギャグとか入ってるのね


続いての、役者ずらりと並んでの口上は
めったに観る機会がないだろうからこれまたラッキーアップ


皆が皆、勘九郎の子供の頃の話などを面白おかしく語り
よく考えればここに並んでる人の大方は、彼と血縁関係にあるわけで
何というかそれって他の舞台から考えるとすごい不思議なことだなあと。


そうか
年配の観客たちは、芸を観にきてはもちろんいるけど
この壮大な、連綿と続くファミリードラマを裏では楽しみにしているのだなと


こういうふうに、生まれた時から決まっている
でっかい流れの中で自分のやることを見つけて精進するって
どんなきもちなんだろうと思いながら六代目勘九郎を観てました。



ここで休憩になったので、
母が予約してくれたお食事処でごはん



広野ゆうなのフーテンひぐらし-ごはん

3000円の幕の内だワーーイ豪華割り箸


席で食べるお弁当もオツだけど、
こうしてテーブルでゆっくり食べられるのっていいね



休憩終わっていよいよ勘九郎の登場

最初はキレイなキレイなお姫さま(小姓)として登場、美しく舞う
これが長い長い


ダンスの舞台で、たったひとりで30分以上ソロなんて
よほどのダンサーでもないことだよ
やっぱりプレッシャーってハンパねえなあと思う


しかし文楽の時にも思ったけど
黒子だったり後見だったり、役者を補佐する人たちが
はっきり見えるところで動いているけれども、
観客はそれを「無いものとして認知する」というお約束って
日本の伝統芸能独特のおもしろいものだよなあ。


それでいてこの人たちと役者さんとの連動もまた、
じっくり観ていて面白いんだよね。


後半、勘九郎は獅子の精に変身し、
うってかわって派手な隈取、白く長い髪の毛で
花道から登場、男らしく舞う舞う。


ダン!と足を踏み鳴らしたりスタッと飛んだり
これがべらぼうに格好いい


これぞ想像してた歌舞伎ってかんじビックリマーク



それにしても「中村屋!」「六代目!」って
ものすごく熟知したタイミングで声をかける大向こうの人たちって
な に も の ?


言い方や声の出し方も格好よかったりして
あれは誰でもやっていいものじゃないんだね
俺やりたいけどね一度くらい 笑



そのあとの「ぢいさんばあさん」は、何と
森鴎外が原作のわりと現代的な作品で
話もセリフもとてもわかりやすかった。


16時半から開演して終わったの21時
すごいねこりゃ



広野ゆうなのフーテンひぐらし-勘九郎かんばん


「あなたの初の歌舞伎にしては、演目が地味だったり
渋かったりが多かったから、次回はもっときらびやかなのに行こう」
と母。


確かにそうね
でも、吉右衛門さま始め、
勘三郎も橋之助も仁左衛門も三津五郎も七之助も福助も
どがーーんといっぺんに観れたのはとてもよかったです



広野ゆうなのフーテンひぐらし-おみやげ


ささやかなおみやげ。
襲名記念の「多幸せんべい(タコせん)」とかパンフレットとか
母にもらった歌舞伎の基本手引き書とか



次はぜひ
「勧進帳」か「仮名手本忠臣蔵」か「暫」が観たいです 笑