乳がん検診騒動記 | フーテンひぐらし

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永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。


はうーぶーぶー


ツイッタでリアルタイム報告はしてましたが、
今日やっと結果が出たのでブログに全部書けますわ



■8/19(金)
健康診断。乳房触診の際、先生が「左側のしこりが気になる」と言う。
それはずっと昔からあるものだったから私自身は気にしてなかったけど
「マンモにこれは写りにくいから、エコーも撮るのをおすすめします」というので、両方撮った。
エコーはかなり細かくしこり部分を撮影してた。



■9/1(木)
健康診断を受けたセンターから電話あり。
「乳腺科の先生が直接お話したいというので、明日電話します。
 なので電話が通じるようにしておいてくださいね

…おい!そんな予告電話いらないから、いま直接話してくれよ。


無駄に心配な一夜を過ごすが、左のしこりが引っかかったのは
これが初めてじゃないので、過去の手帳などを見返すと
再検査した病院で「右の石灰化は変化していないから大丈夫、
左のしこりも線維腺腫(良性の腫瘍)だから問題ないと言われた」
との記述見つけてちょっとホッ。


そういえば左のしこりは、2008年冬に痛い痛い細胞診をして、結果シロだったわ。



■9/2(金)
乳腺科の女医さんから電話あり。予想していた通り、
「エコーで見た結果、左のしこりが心配なので病院で精密検査を」と言われる。


なので、「2008年と2009年にも引っかかったので再検査したのですが、
細胞診も問題がなく、先生がそのしこりは繊維腺腫だろうと言ってました」

と返した。


別に女医さんの見立てを疑うつもりもなく、どのみち前回何も言われなかった
触診が今年問題になったからには、再検査には行くつもりだったの。


一応、過去に細胞診してること、繊維腺腫といわれたことを
教えたら、何か違う見解があるかもと思っただけなのだ。


でも私のその返事がシロウトの慢心に思えたのだろう。
なぜか女医さんはむきになってこう言うのだった。


「繊維腺腫?私は今までたくさんエコーを見ていますけど、
これぜったい繊維腺腫じゃないですよ。


私、繊維腺腫ならまず再検査にはしないですから。
これは、が…(言いかけてやめやがった)というか、
何かよくないモノの感じがします」



これはあきらかに脅しである。
エコーだけでがんであるとは絶対に明言できない。なのに
私のシロウト判断にイラついたのか、女医は自分の見立ての正しさを一生懸命主張したのである。
おかげで患者への配慮はどっかに吹っ飛び、私は見事に大きな不安に見舞われた。


「では来週あたり健康診断の検査結果が郵送されると思いますので、
それと一緒にエコーの写真を同封しますね」


女医はそう言うが、この土日をはさんで、来週いつ来るか分からない
エコー写真を待つ間、私にずっとこの不安な心持ちで過ごせというのか。
なのでむかつきながら「いえ、今日直接取りにうかがいます」と返事した。


そのあとすぐ、いつもみてもらっている大学病院の乳腺科に電話し、
乳腺の権威であるところの先生の予約を取ろうとしたが、むこう2ヶ月いっぱいだという。


そんなに待てないので「月曜日に何としてもみていただきたいので
先生はどなたでもいいです」といい
、若いY先生の予約をとる。
で、すぐにセンターにマンモとエコーの写真を取りに行った。



■9/3、4(土日)
幸いにマーと鎌倉バカンスだったので、しこりのことは忘れて
楽しく過ごしたが、夜寝る前に猛然と不安になり、マーの前で
「わたしヤバイかも」と思わず涙し、女医の言葉がいかにひどかったかを愚痴った。

「何かよくないもの」という言葉が頭を離れない。




■9/5(月)
病院へ。Y先生は一見チャラそうに見える長身のイケメン医師だった。


「センターからの所見とエコー写真だけを見ると少し心配でしたが、
 今までのうちで診察したカルテを見ると一度細胞診していますね。
 そしてそのあと繊維腺腫という診断が出ています。
 うちで撮った過去のエコーと、今日のエコーを見比べると まったく変化がないんですよ。
 だから繊維腺腫だと思います」
と言われる。


「でも、健診センターの先生がこれは繊維腺腫じゃない!って言うので…」


「うーん…多分これは繊維腺腫の形が変わって、
 少しつぶれたみたいになっただけだと思いますけどね」


そう言いながらあらためてエコー検査。両側をていねいに見ながら色々説明してくれる。

エコーでも多分がんではない、という先生に「なにが違うのですか」と聞くと

「こう違う、というのはないのですが、これはもう…今までみてきた経験ですね…」と。


でもやっぱり心配なので、
念のため「さささ細胞診してください…」とお願いする。


細胞診というのは、乳房に針を刺して中をぐりぐりっと探って、
細胞をこそげ取るものなので、この痛みに滅法強いわたしでも
歴代2位に痛い…」と思った検査である!
(栄えある1位は、肛門に麻酔を打ったとき)


でも背に腹はかえられない。不安をとりのぞくためにまたやるしかねー。


先生は「細胞診では細胞がうまく取れなくて結果が出ないこともあります。
まあ取れないこと自体が、がんではないと証明するようなものなのですが、
ではしっかり取りましょう」
と怖いような頼もしいようなことをおっしゃる。


柔らかくて敏感なところに穿刺するのはマジいてぇー(iДi)
刺すだけじゃなくてそのまま中でグリグリされるのがキツい。


そのときばかりは「江ノ島…鎌倉…チョビ…」と楽しいこと爆裂妄想して
気をそらしていた。 (旅の記憶と読み返した「動物のお医者さん」の記憶)


やっと終わったと思ったら先生、
「はい、ちゃんと取れています。

 でも念には念を入れてもっと取っておきましょう。…もう一回やります」


脳ーーーーー(/TДT)/



二度目の穿刺&グリグリ。

足元までザザーッと血の気がさがるのがわかる。
ううう…鎌倉鎌倉……極楽寺とすずの家…。


「はいお疲れ様です!よく頑張りました。
 刺した感じ硬かったので、やはり繊維腺腫かなーという感じですが(笑)」


結果はすぐ出るから、金曜日に来てくれとのこと。


「あまり不安にならないで大丈夫ですからね」


Y先生、問診の時からエコーの時から最後まで、とてもていねいで
分かりやすくて、しかもやさしいじゃないか。すばらしすぐる…涙


結果まで4日間はあるけど、Y先生のおかげで心は一気に軽く。




■9/9(金)
結果を聞きに病院へ。
Y先生が結果の紙を出してくれ、


「やはり問題なかったです。細胞診の結果はCLASSⅡです。
 正常範囲内ですね。Ⅰ~Ⅴまで段階があって、Ⅲになると
 どちらともいえず、Ⅳでがんの可能性あり、Ⅴでがんになります。
 ⅠとⅡは問題なしです」


前回の細胞診と一緒のⅡだったので、ホーーーッ。


「それと今回はたくさん細胞を取ったので、所見もしっかり出ました。

 ここにFibroadenomaとあるでしょう。
 これはまさに“繊維腺腫”という意味です。
 ここまでハッキリと繊維腺腫と診断されていれば、大丈夫ですよ」


ヤッターー:*:・( ̄∀ ̄)・:*:


「痛いのがまんした甲斐がありましたね」とほほえむY先生。


「先生がていねいにみてくださったから本当によかったです」と思わずお礼。
今後も毎年ここで経過をみてもらうのは怠らないようにするよ!


心配していたマーと実家にも連絡し、ひと安心。




それにしても健康診断


「これは気になるぞ」とひっかけて要・再検査にしてくれるのは
一向に構わない。彼らがひっかけてくれないと私たちは見落とすから、
神経質なくらいの判断でいいと思っている。


でも、それががんに予想させるような部位の場合、
無駄に予告したり引き伸ばしたりするのは、
業務上では必要な段取りであっても患者サイドからすれば
これほどストレスフルな時間はない。
それが1日だけだとしてもだ。
だからどうか、一発で通知をしてほしい。



そしてセンターの女医よ


あんたの断言は見事にはずれていた。
見立てが間違うのは人間誰しもあることだからいいが、
そして不吉な予想してくれるのも勝手だが、その予想を患者に表明するな。
多少脅したほうが再検査には行くと思うのかもしれないが、
医者の言葉というのは予想以上の重みをもつのだ。


あんたの言葉でどれだけのストレスがかかったことか。



どのみち私たちは精密検査をして結果を待たなければいけない。
そのあいだに「心配ないさ~ラララ~」とのん気に過ごしても
「ヤバイんだ…きっとヤバイんだ…」と泣きぬれて過ごしても
結果に変化があるわけではない。事実はたったひとつである。


だったら「心配しないで」と言うべきではないのか。


それがはずれてもし良くない結果であっても、

私個人は楽観的なことを言った医師をうらむことは決してないだろう。
だからとにかく、楽天的にさせてくれ。



いまはうかつな太鼓判を押すと、もし違った場合に

患者サイドからすごい怒りをかったり訴えられたりするらしいので

お医者も「大丈夫」ってそうそう言えないらしいが

そんなリスクヘッジで、誰がしあわせになるんだろう



技術で病気をなおすことだけでなく、
ことばや態度で不安をほどき元気を与えてくれることも
医者の習得すべきたいせつな技能だなと
最近病院によくかかる年齢のわたしは思うのであった。


というわけで、Y先生、ほんとうにありがとうアップ



【追伸】

今週に届くはずのセンターからの健康診断結果は今日になっても届かない。

私があの女医のことばを鵜呑みにしてそれを待っていたら、この1週間は

生きた心地がしなかっただろう。さらにそこから再検査の予約をとり、診察を待つと

きっとその間にからだのどこかが悪くなりそうである。ストレスで。

私の即時判断は間違っていなかったぜ。




【解説】繊維腺腫について


若年の女性に最も多い乳腺腫瘤(しゅりゅう)です。
近年の研究で、腫瘍ではなく炎症に近い「過形成(かけいせい)」と
いわれる範疇(はんちゅう)の疾患であることが証明されました。


硬くてまわりが歪んでいるものは乳がんと間違えることもあります。
若い方の診察の場合は、マンモグラフィでは乳腺が濃く写るため、
しこりとして見つけにくい場合が多々あります。超音波検査では
乳腺は白く写り、しこりは黒く写りますので若い方でも分かります。
両方の診察を受けて精度を上げる診察が、一番望ましいと思います。


小さな線維腺腫は経過観察のみでかまいません。
基本的には線維腺腫と確定診断されたものが癌になる事はまずありません。
ですので線維腺腫と確定診断されて後、注意する事は線維腺腫のしこりの
大きさが急に大きくなっていないかだけを一ヶ月に一度でも自分で確認
しておいて下さい。それで十分です。出来れば一年に一度、再診しておけば

乳癌検診にもなりますし完璧です。