何ともしあわせな一冊。 | フーテンひぐらし

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永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。


前評判とか口コミをまったく知らず
本屋さんでパッと目があって手に取る書籍は、
まんがでも小説でも、当然当たりハズレがでっかい。


読んだ翌日にはブックオフ行きのダンボールに、
ということも少なくないのだ。


だからこそ、目があってまぐわって(下品だね)
ドンピシャ当たり!な本は、口コミで手に入れたものよりも
ものすごくものすごく愛情がわく。



この出会いが面白いから、アマゾンじゃなくて本屋に行くのだ。



男友達で、風俗(しかも格安のためにほぼハズレな場所)において
指名やセレクトを一切しないで、毎回ものすごいレベルの方々と対面して
ガックリしつつもすることをするヤツがいるのだが、
彼に「なぜそんな非効率的でしょーもないことをするの」と問うたら、うれしそうに言った。


「どうやらそこには、めったに現れないけど
 めっちゃくちゃカワイイ子がいるんだ。

 いつかその子に当たる日を夢見て通っている。


 俺の引きを試しているんだ。
 最初から選んじゃ、楽しくないよ」



たとえがまた非常に下品だけど、
そういう気持ちは(本に関しては)よく分かるのだ。



前置きが長くなったね



つまり、昨日久しぶりにそういうまんがに出会ったのだアップ


店頭POPでもあれこれおすすめされてはいたのだが、
中身が見られない状態で買うのは非常にリスキーだったよ。
エイヤと買ったら、とても当たりだった!



広野ゆうなのフーテンひぐらし-ずぼらめし

「花のズボラ飯」 久住昌之 (作) 水沢悦子 (作画)



【あらすじ】
単身赴任の夫を持つ主婦、駒沢花(こまざわ・はな)30歳。
花は今日も自分のためだけに、ズボラだけど美味しいご飯を作ります!



もしかしてこれ、ゆうめいですか…?
有名だったらすいません…。



かの有名なまんが「孤独のグルメ」の久住昌之氏の原作である。
「孤独のグルメ」はちょこっと読んだことはあるけど、所持はしてない。
だけどコアなファンを持つ彼の世界観からの、同じ「食いものまんが」なら
ハズさないだろう、と思ったのだ。


ゴローちゃん(単身赴任中のダンナ)のいない家で
ひとり気ままに主婦(書店でパート中)している花ちゃん30歳。
片付けられないオンナで、ダンナがいないのをいいことに
部屋はめたくそ散らかっている 笑


ひとりだから、あれこれ気をもむこともなく、
「オンナのひとりメシ」をつくって食べるのだ。



これがまた、大学生男子のひとり暮らし並みのザツさ。簡単さ。清貧さ 笑



広野ゆうなのフーテンひぐらし-なかみ2

↑のりたまごはんと、松茸風味のお吸い物のみ、とか…。



広野ゆうなのフーテンひぐらし-なかみ1


こちらキムチチャーハン、自ら実況中



でも不思議なことに


それらすべてがものすごく美味しそうラーメン



そして


花ちゃんが猛烈にカワイイチューリップオレンジ



原作者は人気ある人だが、
この作画の水沢悦子さんの画力も素晴らしい。


わたしは「ちょっと人が好くて抜けた主婦」ってキャラ設定自体が
基本的にはキライなんだけど(CMの“いい奥さん”が皆そうだから)
この花ちゃんはもう愛らしくて仕方ない。部屋キタナイけど 笑


毎日とにかく騒がしくて自由気ままで楽しそうで、
でも単身赴任中のゴローちゃんの帰宅を何より楽しみに待っている。



広野ゆうなのフーテンひぐらし-なかみ3


ゴローちゃんが赴任先に帰った日の夜の花ちゃん。
このひとコマだけでちょっとグッときた



そして「これ、ズボラ飯とかいって私も全く同じレベルですが…」とか
「そうそう、誰もいないとこうやってすっぱだかで歩くよね…」とか
共感ポインツが多いのも楽しいんだよ。



男性が読んでも女性が読んでも、
ほんわり楽しく、しかもお腹がグーとなるまんがです。

おすすめ。



花のズボラ飯
花のズボラ飯
posted with amazlet at 11.04.26
久住 昌之 水沢 悦子
秋田書店 (2010-12-20)