柳のごときベンチャーマン | フーテンひぐらし

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永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。


こないだの社員総会の表彰式で、
私の右隣に座るえなちゃんがMVPを受賞しました。



広野ゆうなのフーテンひぐらし-MVP


写真、とおっ



ノミネート者は3人、
あと2人は男子で、
どちらも事業1つ2つまかされている
大変有力なやつらでした。



えなちゃんの仕事はクリエイティブ管理


デザイナーとライターのお仕事を管理するひとです


コスト管理というのはありますが、
彼女自身が何かアウトプット出す、数字をつくる、
という仕事ではありません。



でも、男子2人を押しのけて受賞しました。




さまざまな部署から
クリエイティブチームに随時降ってくる無数の依頼。


それを個別に受けていたらぐじゃぐじゃになるし、
ムチャな依頼もたくさんありますから、
管理するひとが必要になってくるのです。


ただ、この役ってとっても難しくて、
間に立つ役なだけにただ機械的にやるわけにもいかず、
そして仕事はライター、デザイナー、カメラマン、外注さん、

すべてを把握していなければならないからあまりに多岐に渡り過ぎ
今までにそれぞれ優秀な人たちがいたけども
なかなかうまく回らないところだったのです。



最初えなちゃんがこの役をやると聞いたとき、みんなが
「……え!なぜそこ?」と質問したものでした。



一見ぼおーっとして見えるし、
不思議ちゃんなイメエジがあるし。


しかも今まではカスタマーサービスの部署だったので、
制作のフローを全く知らないわけです。


とても勤まらないよ…と誰もが思いました。




でも不思議なことに、えなちゃんはすごい勢いでなじんでいって、
みんなにイジられたりツッコまれながらもいつまにやら全体を掌握
「まずは彼女を通さないと」と社内で思われるようになったのです。



私が横で見ていて感じたのは、
彼女はとにかく「すぐ動く」。



「えなちゃん、これってどうなってるのかなあ」
誰かがひとこと発した途端、それが
聞いた本人が直接聞きに行ったり調整できることであっても、
そんなのおかまいなしに「あ、聞いてきますね~」と席を立つ。



こないだ私が「なんか…いまウェブ重くな~い?」とつぶやいただけで
「本当ですね。(システムの部署に)聞いてきます」と去っていった 笑


いや、あの、悪いね…みたいな。


そのフットワークの軽さは、佐川の兄ちゃんが見習った方がいいくらい。




そして、どんなミーティングにも全部顔を出す。
そして、自分もど真ん中でアイデア出しにも参加する。
本来は、管理者であれば傍観者でいてもいいのにな。



決して「あたし、がんばりますっグー」って元気やる気キャラじゃなくて
やっぱり一見ほえーー、ぼおーーっ、ゆらーーーっとしてるんだけど、
その雰囲気のまま、フットワークが軽いんです。



だからクリエイティブ陣の信頼は絶大です。
えなちゃんが、走ってくれる。調整してくれる。
そこに切れる弁舌も、説得力も、守護力も、特にないんだけど(笑)
えなちゃんが雑事を引き受けてくれるから、他に集中できているんだろうな。




仕事って、やっぱり「華キラキラ」的ポジションは得だよね、という人もいる。
分かりやすい制作物があったり、数字を持っていたり、
フロー上で目立つ位置にいるほうが評価がされやすいし…と。



でもこういう人がMVPをとったのには、意味があるなあと思います。



「縁の下の力持ちだから」というよりも
(そういう役目をしてくれている人たちは他にも沢山いるから)、
「ゼロからスタートして今の状態にいる」ということを賞賛したい。



外野の意見は色々あるだろうが、
彼女のはたらき方にはすごくヒントがあるんだ。




まったくの門外漢からスタートしたとき
とにかくすべてを「自分の範囲」だと決める
すべてに首を突っ込む



「それは私にはまだ分からないし」


「それは私がやる仕事なの?ちがくない?」


「それくらい自分で何とかしてくれたらいいのに…」


「このmtgは私が参加しなくてもいいよね」


「それは今いそがしいから後でやっときます」



そういう概念を持たない
変なプライドも持たない


かといって


「ここは私がすべて仕切りますから!」

「私が法律です」

という強さも出さない



とにかく毎日目の前の細かいことを
ひとつひとつ、こだわらず処理してゆく
頭で考えるまえに動く




たぶん彼女は「そうやって頑張ろう!」と決めたのではなく
もともとのいい意味でのこだわりなさと好奇心の強さと使命感が
うまくマッチしたんだと思うけども



人って、そういう「これは私の範疇じゃねーよむかっというセクショナリズムや
「そんなことくらいテメーでやってよねっ」というプライドは絶対にあるから
それが取っ払えるのは、どっちにしろえらいことだと思うのだ。


猪突猛進、強さがウリ、でもボッキリ折れるキケンありの私には 

ぜってえマネのできない泳ぎ方だ




柳に雪折れナシ




12月14日、泉岳寺にお参りに行くと言った時、
「あたしも行きます~」とえなちゃんが言うので仰天した


私と突然2人きりで行くというのもかなり蛮勇だし
そんなイベントに同意するのも珍しい


たぶん単なる変わり者(笑)のえなちゃん



おめでとうクラッカー
あんたはすごい合格