子宮頸がんにまつわる体験記【その7】 | フーテンひぐらし

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永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。


■5月9日(金)


タクシーで元気に現地入り。
入院受付で書類を出して
9時に予定通り病棟へ。


4人部屋のベッドは、狭いけど
1人ずつにテレビや荷物棚があるんだね。
持ってきた荷物を全部押し込んで、スイス犬を置いて、
前開きの術着に着替えます。



そのとき折れかけてた爪がバキっといって、
指から派手に出血。手術してないのに血がそこら中に付着 笑



そのあと看護師さんが血圧や脈などを測りにきた。


「バンソコください。爪折れちゃって」と言ったら、
看護師さん、「あらっ」と私の手を見て衝撃のひとことを。




「爪、切ってないんですね…」



えあ!?


「マニキュアは落とせと言われたけど、
 爪は切ってと言われてないんですが…(半泣)」


じゃあ確認してきますねと看護師さん。
でもその後戻ってきて、


「やはり切らないとダメですね…。
 麻酔中に掻いたりしたら危険なので」



がーーーん



泣く泣く爪を切る。
せっかくジェルネイルでここまで伸ばしたのに…。




そのあと人生初点滴。
「点滴の下がった棒をガラガラ持って院内を歩く」ここに実現。




そこから待ち時間が結構あって、
10時半すぎに点滴のまま手術室へ。



看護師さんたちが何人も忙しそうに準備していて、
麻酔の先生がいて、手術台はものものしくて、
ここにきてはじめて



うわー、あたし手術すんだ…。



とちょっとビビる。

髪の毛を全部キャップの中に入れられて台の上へ。


そしたら先生が笑顔でやってきて、
「おっ☆来たね。今日で全部終わるからねー!」


これで一気に気が楽になりました。



「はい、じゃ眠くなる薬入れますからねー」


点滴の管のバイパスみたいなとこに、
麻酔の先生が液を注入する。



「わー、手と顔に何かじんじん来ましたー」

そう先生に告げた次の瞬間から




一切記憶なし




「広野さん」と呼ばれて
ハッ!!と気づくと、


…あれ??もとの病室のベットの上。




なんかあれですよ。べらぼーに疲れて眠くて、
ちょっと居眠りしたはず(本人の感覚では5分未満)なのに
1時間たってた、みたいな感覚。




「あれれ?私どーやってココまで来たんですか?」と看護師さんに問うと、
ストレッチャーで運ばれてきたらしい。


うへーマジで一切記憶なし!本当に手術したのか??



「どうですかー」と問われた私の第一声は、


「トイレ行きたい」


何かお腹に圧迫感があって、トイレいきたい。

でも看護師さん2人は顔を見合わせて迷っている。



「広野さん、手術終わってから20分しか経ってないんですよ。
麻酔覚めたばかりだし、今立つとちょっと…」



でも意識もハッキリして気分も悪くないので、行きたいと主張すると、
看護師さん2人がかりで後ろを護衛しつつ(転倒したりしたら
すぐカバーするってことなんだろう)
トイレへ。


寝起きみたいなボーッと感はあれど、フツウに用が足せました。



この時点で11時半前だったから、
手術はホントに30分くらいで終わったみたい。


早っっ


S先生だからこそのスピード手術&日帰り入院。




周囲から聞いてたとこによると、
麻酔覚めた後キモチ悪くなったり、
まだまだウトウトしてたりするらしいのに、



私もう眠れない



下腹の圧迫感あるのに、おしっこはもう出ない。
その具合の悪さが気になって、しゃっきり起きたまんまなの。



一気にヒマ ぶーぶー



看護師さんがこまめに点滴の具合や血圧を
測りにきてくれるほかはヒマ。


やっとお許しの出たミネラルウォーターを
ぐいぐい飲んで、あとは
仕方ないので持ってきた本を読み始める。

(黒川伊保子の本ばっか 笑)


途中でパン2個と牛乳とメロンが出た。
箸、いらないじゃん!!



そしたら先生がやってきて、軽く挨拶して去ってった。
この日私を含めて5件の円錐切除オペをこなし、
外来の診察をこなして、午後から別の病院なんだって。
はたらくねえー




午後に点滴入れ終わってやっとはずしてもらえる。


その後やっとこさ眠気が来て、
1時間ほどウトウトしたら午後3時。



「ガーゼ取り替えるので着替えて外来に来て下さい」


えっ
もう私服??


ホーストTシャツ出番なし!!



先生は別の病院に行ったので、
女医さんがガーゼを取り替えてくれる。


女医さんはいい人だったけど、
このとき初めて、S先生の技術の高さを思い知ったわ。



同性だからなのか、
ガーゼの入れ方がぐいぐい大ざっぱというか、痛い!!



中が痛いのではなく、入り口のあんな部分や
こんな部分が一緒に巻き込まれて
(笑)いたいよーー!




こういう作業でも一切のストレスを感じさせなかった
S先生はやっぱり熟練なんだろうなあ。




その後ふたたびベッドに戻って、退院の準備。


結局使ったのはスリッパだけで、
マグカップも箸もねまきも印鑑も使わなかったなー




白馬白ハマーで迎えに来るはずのいぬくマー王子は
道に迷っててまだ登場しない。

お前のカーナビは飾りか!!

(なぜ地図も印刷せず住所も控えてない??)



その間にお会計の準備ができたので、
病棟からサヨナラして外来へ。
お会計は思いのほか安かったです。




ナイスタイミングで迷いまくったマーが来て、はい退院。
この時点で4時半くらい。
あっけない入院でした。




「古川橋に“道なり”はなかったよ!右か左しかなかった!」

「病院の名前がカーナビでは専売病院になってた!」

はいはい 私が君の応用力を買いかぶりすぎていたYO




体調も気分も悪くないし、お腹がぺこぺこなので、
麻布十番のジョナサンへ行ってまぐろ御膳



まぐろ ご期待ください
「まぐろ」 ご期待下さい



家に帰ってからは、のんびりDVDを鑑賞。


夜はさすがに、腰とそけい部にうっ血感、
下腹にじんじん来る重みがあって、
ちょうど生理の時みたいなだるさ。
痛みはないんだけどね、重いの。





でも不調はそれくらいで、
無事いちにちが終わったのでした☆






この日学んだこと

前日に食いすぎると、お腹がつまって苦しい


この日いちばんショックだったこと

爪を切らされたこと