子宮頸がんにまつわる体験記【その3】 | フーテンひぐらし

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永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。

こんちは。体験記つづきです。




■11月2日
組織診の結果を聞きに。



診察室でしばし待たされてる間、
HPVのウイルスの種類の表を眺める。



「問題なし」から始まって、4段階くらいに分かれて、
それぞれに該当するウイルスの型番が書いてある。
いちばん下は「最悪」と分かりやすい表現(笑)



つまりあれなんですよ。
「がんの前の状態」っていったって、あくまで
「細胞が異なる形成を起こしている」だけで、

がんではありません。


それが悪さしないウイルスであれば、
Ⅲaだって別に大丈夫なのです。

(ただし数ヶ月ごとの経過見は必須ですけどね)




本日もさっそうとあらわれる先生。


「おっ、広野さん、○歳には見えないねえー」


今日もつかみトークありがとう(笑)
この先生、銀座行ったらモテるだろうなと余計な想像。




「さて、検査結果出ました。これ見て」


先生が紙を見せてくれる。



「そこに書いてある数字は?」




「…じゅうろくです…」



「そう。この表でいくと?」



先生は私が先ほど見ていた表を指す。






“最悪”ですね…」




「そう」




先生ー そんなサラリと元気よくガクリ





何十個も型番がある中、
表の「最悪」に書かれている型番はたった2つ。
16型と18型。


あたしはそのうちのひとつがビンゴというわけだ。


叫び




若干血の気が引く私に対して、
しかし先生はあくまでも平気である。



「うん、まあ16型でも3人に1人は退行する
 (中度異形成から軽度になったりと自然と良くなること)
 ことがあるんだ。でも僕がずっと見てきた中では、16型って
 一度消えたと思ってもまた復活する可能性が高い
んだよね。
 だから本当は、取ってしまうのがいいとは思う」



「そーですか…」



ちなみに「取る」といってもこの場合、
子宮を取るという意味ではない。
まだこのレベルの場合は、頸部の入り口を
ちこっと円錐切除するということだ。



いきなり切除を選択する勇気はまだでない。
でも色々調べたところ、実際に円錐切除してみたら、
検査では中度だったのに中身はもっと悪くなってた、
なんて人もいたので、16型であるなら早いとこ取った
方がいいかなとも思う。



「経過を見続けることはできるんだけど、
 結局毎回数ヶ月ごとに“次は悪くなっていないか”
 ってびくびくしながら待たなくちゃいけないから、
 それがストレスだという人もいるね。

 あくまでも本人の意思にまかせるけどね」



「なるほど……」



「でも心配しないで。もし今きみが妊娠していたら、
 僕は普通に出産を待つから。つまりその時まで
 放っておいても大丈夫、ということだからね!」



その言葉ですごく安心した。




「じゃあこうしよう。今日もう一度組織取って、見てみよう。
 それで検査結果が今の中度異形成のままか、

 軽度になっていたら様子を見ていく。もし高度になっていたら、

 手術の予約をする。どう?」



「ああ、それがいいです。そうして下さい!」


というわけでもう一度組織診。




先生はとにかく自分の腕に自信あり。
それが人によってはクセが強いと取るかもしれんが、
少なくとも今の私にとってはとても頼もしい。


本来ならば「最もがんに移行しやすい型」と判明したのだから、
半泣きで診察室を出ていたかもしれないのに、
なぜか先生に会うたび気楽に元気になっていくのである(笑)
たぶん他の病院だったら落ち込んでたかもな…。




先生はこの日も患者さんの間を元気に飛び回っていた。
この人、忙しいと燃えるタチだな…ベンチャー気質め…と思う。





■12月2日
その他のがん(子宮がんや卵巣がんなど)の
予防になるということで、この日から低用量ピル開始。




゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚




マーが調べたり周囲に聞いたりしたところ、


「とにかくお前と同じ女の人が多くてびっくりした。
 “うちの奥さんがそうだ”とか“彼女がそうだよ”とか
 いうやつら、多かったよ…」



そうなの。今すごく増えているらしいの。
実際、待合室はいつも満員。待つことこの上なし。
私の先生は頸がんのエキスパートといわれているので、
先生目当ての患者さんはかなりの確率で私と一緒の症状だろう。
実際、円錐切除手術の予約は3ヶ月先まで埋まっているというし、
むう。だからきちんと検査してねみんな(笑)