ナガザイル物語【第3話】 | フーテンひぐらし

フーテンひぐらし

永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。


■10月14日(日)


夕刻から第1回練習開始。


会社の大会議室で。




ダンス初心者を短期間でそれなりにするには
いくつかコツがあって、いちばん大事なのはやっぱ



踊れそうなものを踊らせる



だったりする。




HIP HOPやジャズやハウスなど、
ダンサーが踊るいわゆる「○○ダンス」というものは、
ニュアンスやセンスやリズムの取り方などがあるため、
短期間で習得しようとするとやっぱしんどい。




だから過去も「DA PUMPがやりたいよ」とかの
要望は出てたのだけど、総会ダンスにおいては


比較的簡単に覚えられてそれなりに見える踊り


という原則を守ってきた。



だから一世風靡や、氣志團や、モー娘。や、
マツケンなどのダンスを選んできたのだ。



「ダンス」と「盆踊り」があるとしたら、
「盆踊り」に近いほーの動きね。
(盆踊りとダンスに優劣はないので誤解なきよう)


音に対しての振り数が少なくて、比較的直線的な振り。



氣志團のGIGでは、しばらく見ていれば観客も
舞台上の彼らと同じ動きができるのだが、
そのくらいのレベルであることにこだわってました。



やっぱり、一生懸命練習しても
「なかなかできない」
「できてもサマにならない」って、
モチベーション落ちるからさ。


それに中途半端な出来だと、

お客さんが見てて楽しくないっしょ。




ところがだ!




「Choo Choo Train」はずばり「ザ・ダンス」。

HIP HOPであり、本物と同じ振付であり。




うわードキドキする




B'zの「ラブファントム」をバリバリのジャズダンスで
振り付けてメンバーをあたあたさせた以来。
しかもあれより難易度は高いなー。




サビを振り付け始めたら、
彼らの衝撃はすぐに伝わってきた。




何しろテレビではEXILEも岡村も、
何だか軽くやっているように見えてる。


のに。



「まずは振り付けの前に、ダウンのリズムを取ることを覚えてねー」



「……先生…ちょっ……分からん…」



「じゃあ基本として岡村がやってた“ランニングマン”をやってみよう」



「だああああー!むむむむ難しい!!!」




そうだろうそうだろう




振り付け始めたら、あまりの細かさに
徐々に青ざめていくメンバー。




慣れないリズム取りやHIP HOP独特の基礎ステップ、
そして今まではカウント1つに振り1つだったものが、
「エンカウント(1と2のあいだに“&”がある。つまり半拍ね)
とゆーものが続出する。



じゃなくて



にひとつずつ振りが入ってるからね。


つまり振り数が今までの倍はあるのー





ぜえぜえ言いながらみんなが聞いてくる。



「先生……ここまでで何分くらい…?」





「えーと25秒。まだボーカル歌いだしてないよー




「ええええっ……!???」




この日は結局、イントロから
「ときめきを運ぶよChoo Choo Train~♪」までの
正味50秒くらいを振り付け。




早くも体の痛みを訴え始めるメンバーズであった。